東日本大震災アーカイブ公開記念シンポジウム<報告> 2013年3月26日,国立国会図書館(NDL)東京本館新館講堂において「東日本大震災アーカイブ公開記念シンポジウム『東日本大震災の記録をのこす意志,つたえる努力』」と題するシンポジウムが,総務省とNDLの主催によって開催され,約230名の参加があった。 シンポジウムでは,まず,山折哲雄氏(宗教学者)による基調講演「記憶の刻印と風化」が行われた。山折氏は,時代を超えて残ってきたメッセージとして,「天災は忘れた頃にやってくる」,「備えあれば憂いなし」の2つの例を取り上げつつ,記憶の風化を乗り越えるためには,単に記録を残すだけでは足りず,災害列島の日本で,不安と恐怖の中に生き続けた祖先の死生観,自然観,世界観を学び我がものにするしかない,と論じた。 次に,総務省とNDLが,2013年3月7日に公開した「国立国会図書館東日本大震災アーカイブ(愛称