最近、街なかで目にすることが増えた「前田珈琲」の文字。京都に本社を置き、京都市内で12店舗を展開する地元のコーヒーチェーンだ。 キャッチコピーは「京都人に愛され半世紀」。 この夏、国内13店舗目が国の重要文化財の府庁旧本館内(上京区)にオープンする。前田珈琲が重要文化財の一角で営業するのは、三条通沿いの京都文化博物館別館(旧日本銀行京都支店、中京区)に続いて2件目。 これ以外にも、世界遺産・二条城(中京区)の茶室や国登録有形文化財に指定されている建物など、京都の歴史を彩る文化・アート系施設への出店が際立っている。 なにかしら戦略があるに違いない。そう勢い込んで代表取締役の前田剛さん(49)に聞いてみたが、「何となくここまでやってきた」と、肩ひじ張った感じを出さない。 ただ、気になるワードを口にした。 「イノダコーヒでもスターバックスでもなく、…