対談:Alessio Bolognesi(Head of Journal Development, eLife) × 水島 昇(東京大学大学院医学系研究科) 対談収録日:2023年11月15日 本誌でも2020年2月~10月号に連載したように,現在の査読システムはさまざまな問題を抱えている.例えば,論文の改訂に際して,査読者から膨大な追加実験を要求され,それに答えるために著者は多くの時間,研究費,労力を割き,かつそのために成果の公表も遅れてしまう.とはいうものの,ピアレビューに代わるよい仕組みがないということで,ほとんどのジャーナルが従来型査読システムを採用してきた.しかし,eLife誌は2023年1月より全く新しい査読システムに切り替えた.新しいモデルでは,パブリックに向けた論文評価コメントが公開されたり,出版社や査読者ではなく著者が出版をコントロールできたりと,斬新な点が多い.この過激