不況で家メシが増え、はっきり分かった。妻の料理がマズい、マズすぎる。悩める夫も多いようだ。ひと昔前なら、「こんなもん食えるかああ!」とちゃぶ台をひっくり返せば済んだが、イマドキはそうもいかない。何かいい策はないか? 「主婦が作る料理のマズさには、いくつかのパターンがあります」 そう話すのは、料理研究家の山中裕子氏だ。家庭料理中心の料理教室を、横浜市の自宅で開いて12年。 教室に通う主婦を観察していると、とにかく有名料理店のメニューばかり作りたがり、夫や子供に毎日食べさせる料理は二の次、三の次だという。 「手に入りにくい材料を使った、手間ひまかかる料理は真剣そのもの。しっかりメモを取ります。でも、肉じゃがや煮魚、ハンバーグや豚のしょうが焼きにはまったく興味がない。スーパーで総菜を買ったほうが安上がりだと言うのです。母親に料理を教わった主婦は、今や絶滅寸前。40代で調味の5要素〈さしすせそ〉を