仙台の年越しに欠かせないナメタガレイ(ババガレイ)が鮮魚コーナーに並ぶ季節がきました。ぷっくりした肉厚の魚で、子持ちのものは子孫繁栄の縁起物。これをしょうゆ・砂糖・酒・みりんで甘辛く煮付けて、大みそかから正月にかけて食べるのです。 どうしてナメタガレイが年越魚になったのか。諸説ありますが、比較的庶民の手に入りやすかったから、とか、年末の忙しい時でも煮てさえおけば、冷めてもおいしいから、などといわれています。 私が買ったクリスマス前でも1切れ1000円程度。クリスマスが過ぎると価格は上昇します。この現象は、特に仙台が顕著ですから、それだけ需要がある証拠です。今年は東北沿岸では震災の影響もあって、例年のような水揚げは見込まれていません。ただ北海道は豊漁らしく、価格は比較的落ち着いています。鮮魚売り場の方は「せめて今年はナメタガレイを食べていつもの年越し気分を味わってほしい」と口をそろえます。