「津波来襲時の下田港」。手前の男性は両手を広げて沖を見つめている=サンクトペテルブルクのロシア中央海軍博物館所蔵・提供(紙に彩色) 静岡県下田市の下田港は一八五四年十二月、安政東海地震による巨大な津波に襲われた。ロシアのサンクトペテルブルクにある中央海軍博物館には、惨状を実際に見て描かれた貴重な絵図が残されている。 (福田大展) 描いたのはロシア海軍のモジャイスキー大尉。江戸時代の末、開港を迫るためディアナ号で来航。しかし、会談が始まった翌日に被災した。船には随行の画家がいなかったことから、美術が得意なモジャイスキーが記録係を務め、A3判ほどの絵図を残した。 「津波来襲時の下田港」では、海水が防潮の堤を乗り越え、押し寄せる。津波は大小さまざまな船をさらい、陸に押し上げる。女性は流されまいと木材にしがみつき、男性は沖を眺めて両手を大きく広げている。津波が去った後を描いた「津波来襲後の下田港」
近い将来に予想される東海地震で、駿河湾でこれまで震源域と思われていなかったプレート境界付近で、津波を巨大化させる恐れのあるひずみが蓄積されている可能性があることを、名古屋大と東海大海洋研究所(静岡市)のグループが突き止めた。 グループは衛星利用測位システム(GPS)と音波を利用し、二〇〇四年から一〇年まで、太平洋のプレート境界・南海トラフのすぐ西側の海底の動きを調査。その結果、清水港(静岡市)の南東十キロの地点で、海底が一年に四センチの割合で西に動いていた。この動きから、境界近くの海底下五キロ以内の場所で、プレート同士がくっつき(固着)、ひずみがたまっていると判断した。 プレートとプレートが重なり合うと、地中の岩盤に大きな力が加わり、地殻にひずみが蓄積。長年のひずみが限界に達したとき、それを解放する現象として地震が起きる。これまでは、海底に近い浅い部分ではプレート同士は固着せず、ひずみは蓄
二十七日の「土用の丑(うし)の日」を前に、ウナギを取り巻く環境が騒がしくなっている。すでに、稚魚の不漁続きで価格の高騰が起きているところに、米国がウナギの国際取引を規制する検討をしていることが判明。米国の言い分通りに規制されれば、消費量の七割を中国など輸入に頼る日本でウナギ不足が起きてしまうことも。価格の高騰も避けられず、ウナギが簡単には食卓に上らない超高級食材になるおそれもある。 (須藤恵里) 広く食用にされているウナギは、東アジアのニホンウナギのほか、欧州のヨーロッパウナギ、北米のアメリカウナギが主流。数の減少が深刻なヨーロッパウナギは、すでに野生動物の保護を目的とするワシントン条約の対象になり、国際取引が規制されている。 水産庁によると、米政府は減少しているアメリカウナギだけではなく、ニホンウナギなどすべてのウナギについて、輸出する場合に輸出国政府の許可書の発行を義務付ける対象に加え
葛西臨海水族園(東京都江戸川区)から脱走し、先月二十四日に捕獲された絶滅危惧種フンボルトペンギンの幼鳥が今月七日から、三カ月ぶりに一般公開されている。初の週末となった九日、雨の土曜日としては異例の六千人を超す来館があり、脱走ペンギン効果がくっきり。ただ、当のペンギンは、初日と同様、一羽離れていることが多く、群れになじむには時間がかかりそうだ。 (村松権主麿) この日の来館者数は約六千二百人。過去二年の六月の土曜で、六千人を超えたのは晴れの日だけで、坂本和弘副園長(51)は「捕獲といういい形で脱走が終わり、一般公開された報道の効果は明らか」とみる。 屋外にある展示場には、傘をさした家族連れなどが次々と訪れ、餌やりの見学者は、「雨の日としては二~三割増し」(担当者)。二年度連続で来場者が百五十万人を割った同園だが、本年度は好調に推移しており、ペンギン効果もあって三年ぶりの百五十万人回復が見えて
西へ東へ自由きままに三カ月-。葛西臨海水族園(東京都江戸川区)から三月に逃げ、今月二十四日に捕獲された絶滅危惧種のフンボルトペンギンの幼鳥。最初の目撃から八十二日間、東京港周辺を泳ぎ回った。 (村松権主麿(かりすま)) ペンギンまでの距離五メートル。二十分かけてにじり寄る飼育係。羽づくろいで顔をそらした瞬間、胸に抱えるように捕獲。手をすり抜けたペンギンを追いかけて川へ落ちた飼育係は水中で見事に足をつかみ、ペンギンの休日は終わった。
日本人の魚離れが止まらない。国民一人の一日当たりの魚と肉の摂取量は、二〇〇六年に初めて肉が魚を上回り、その後「肉食化」の傾向が拡大。肉を好む若者だけではなく高齢者でも魚離れが進んでおり、水産庁は消費拡大の取り組みに乗り出すことにした。 政府が二十五日に閣議決定した水産白書によると、国民一人の一日当たり摂取量は、二〇〇〇年には魚が九二・〇グラム、肉が七八・二グラムと魚が上回っていたが、一〇年には魚は七二・五グラム、肉が八二・五グラムと大きく逆転している。 年齢別にみても、二〇〇〇年と一〇年の比較で、子どもから高齢者まですべての年齢層で魚の摂取量が減少。水産庁は魚離れの一因を、「骨があって食べるのが面倒」「肉より割高」と感じる消費者が増えているためと分析する。
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