陸奥湾の今夏の高水温でホタテの成育に影響が出たとして、県などは5日、実態調査を始めた。初日は漁場8カ所でホタテの養殖かごを回収。今年産の稚貝では、32個のかごのうち9個で半数以上が死んでおり、最大で96%が死んだケースもあった。 「これはかなり厳しいな……」。青森市港町2丁目の青森市漁協の倉庫。かごから、生きた稚貝と死んだ稚貝を振り分ける作業を見ていた漁協の佐藤柾明・業務課長はうめいた。死んで口を開けたり、割れたりした小さなホタテが次々見つかったからだ。 最初のかごは稚貝1116枚のうち729枚が生きており、死んだ割合は37%にとどまったが、残る3個のかごでは、死んだ割合が65%、79%、77%と高かった。佐藤課長は「県は『水温の低い、深い場所に稚貝を避難させろ』と言うが、陸奥湾のなかでも青森湾は水深が浅く、逃がす場がない」と嘆く。 県などによると、ホタテの稚貝は水温23度で成長が止