今年も各地で梅雨入りし、これから雨の日が多くなりそうです。「樹木が枯れる」「雨が目にしみる」など、1970年代から被害報告が相次いだ酸性雨。ところが、2000年以降は酸性雨が話題にのぼることが少なくなりました。酸性雨はいま、どうなっているのでしょうか。 1970年代になると、日本でも酸性雨による被害報告が相次ぎました。 「雨に打たれた野菜の葉が変色した」「雨が目にしみる」「山の木が枯れている」などなど。建築物の被害は、銅ぶきの屋根が腐食した、コンクリートが溶けてつらら状に垂れ下がる、鉄筋の腐食が進んでいるといった報告が上がりました。 酸性雨は最大の地球環境問題となったのです。 京都大学・地球環境学堂 特定研究員の村野健太郎さん(72歳)が酸性雨の研究を始めたのは、国立公害研究所(現・国立環境研究所)にいた1984年。手がけたのは赤城山(群馬県)の酸性霧(さんせいぎり)でした。 立ち込めてい