上図から分かるように限界利益は固定費(に相当する額)が含まれており、これを原資に固定費をまかうことになる。そのため、「固定費回収負担額」ともいう。企業全体で見たときの限界利益が固定費がまかなえない場合は、“トータルで赤字”であるため、やがて破綻するといえるが、個別の事業や商品??特に新事業や新商品、新規受注については、固定費は既存事業がすでに負担済みであると考えて、限界利益が出る限り実施・受注するという判断も可能である。 限界利益の本義は、経済学における限界概念による利益(利潤)である。ミクロ経済学の限界利益は「生産量(販売量)が1単位増減したときの利潤の変化」と定義される。会計学では売上高と利益の関係を単純化して線形(正比例)で表す場合がほとんどだが、経済学では生産・販売量と利潤の関係を二次式や三次式で表現する。このとき、利潤総額を生産量(販売量)で微分できれば、各生産量(販売量)におけ