現代のIT産業で使われる技術群は、まるで菓子のミルフィーユのように多くの「レイヤー(層)」を重ねた構造を取る。先人たちが作り上げた下位レイヤーの技術を駆使することで、より付加価値が高いソフトウェアやサービスを、より容易に作り上げることができる。多数派のエンジニアが興奮するのは、上位のレイヤーの最新動向だ。 ところが、登がSoftEtherで注目したイーサネットの「レイヤー2」は、ふだん話題になることはない「低レイヤー」の技術だ。そこに注目する理由を、登はこう説明する。 「上位レイヤーは動きが激しく、付いていくための勉強を続けないといけない。一方、最初はものすごい量の勉強をしないといけないが一生変わらないものはなにか。それが低レイヤーだ」。 登がSoftEtherで再現したイーサネットの「レイヤー2」は、IT関連の規格が数ある中でも珍しく長期間にわたって同じ形を保ってきた。イーサネットのハー