■第21回 浴衣・甚平・祇園祭 最近、若者の間では甚平が流行っているらしい。とはいっても、彼らが着ている甚平とやらを見る限り、私が考える甚平とはまったく別物の様だ。 私達の年代にとって、甚平はリラックスウエアであり、家の中またはそれに準ずるところでしか着ないものだ。しかし、彼らにとっての甚平は外出着であるらしい。祭りや行楽地での花火大会などのときに甚平を着ているのを見ると、パジャマやバスローブのまま出掛けてきたかのように感じ、こちらが気恥ずかしくなってしまう。 とはいっても、我々が夏の夕涼みなどに着る浴衣(ゆかた)も、そもそもは字のごとく、入浴するときに着ていた湯帷子(ゆかたびら)が変化したものだというから、時代の変化とはこんなものなのだろう。 浴衣といえば、夏の風物詩である。若い娘の浴衣姿などは、いかにも日本的だと思っていたのだが、こちらも先程の甚平同様、昨今ちょっと様子が変わっ