開発コストを最適化しようとするとき,その対策が開発言語によって全く異なる可能性が高い――。大手50企業を対象としたITコストのベンチマーク調査から得られた“意外”な知見の1つである。さまざまな相関分析データを基に,開発コストの最適化に効く要因が何かを考えてみよう。 黒須 豊 スクウェイブ 代表取締役社長 前回までで,ITコストとITの業務レベルの調査結果,さらには両者に関する相関分析の結果を紹介した。いかがであっただろうか。 今回から3回にわたって,「開発」「保守」「運用」といった業務領域ごとに,ITコストとの相関係数が大きい業務内容について分析していく。ユーザー企業50社からITコスト・データを集めたSLRの調査結果を基に,各業務領域における「ITコストの最適化」のポイントについて,筆者なりの分析と見解を述べたいと思う。 まず取り上げるのは,システム開発領域のITコスト(以下,開発コスト