釜石市教委による同市鵜住居町の川原(かわら)遺跡の発掘調査で、奥州藤原氏時代の遺物が大量に出土し、21日に開いた現地説明会で成果を披露した。沿岸部の12世紀の遺跡では最大級の出土量で、藤原氏に近い有力者の重要物流・生産拠点だったとみられる。平泉を拠点に東北一円に力を及ぼした藤原氏の地域支配を解明する手掛かりとして注目される。 津波で全壊した鵜住居小、釜石東中建設に伴い1100平方メートルを調査。財力のある有力者しか所持し得ない中国産磁器(白磁、青磁、青白磁)、常滑(とこなめ)や渥美(あつみ)産陶器、鉄製品など、12~13世紀を中心に千点以上の遺物が出土した。 焼土、鉄滓(てっさい)など鉄作りの痕跡も確認。文官(ぶんかん)がいたことを示唆する硯(すずり)、九州や山口方面から加工目的で持ち込まれたとみられる滑石(かっせき)、宴会儀礼に用いられた使い捨ての素焼きの酒器かわらけの破片も若干見つかっ