イスに腰かけたような姿をした類例のない縄文時代の土偶が、青森県西目屋村の「水上(2)遺跡」で出土したことがわかった。 同遺跡は、津軽ダム建設に伴い、同県埋蔵文化財調査センターが発掘調査している。縄文時代前期末から後期初頭(約5000~4000年前)にかけての大規模な集落跡で、川沿いの斜面には、多数の土器や石器を捨てた「捨て場」が形成されており、土偶もその中から出土した。 土偶は、高さ7・6センチ。人物の腰から上の部分と、大きく反った楕円(だえん)形の「台」が組み合わさった形。「台」には、脚が1本残っており、痕跡から、もとは4本あってイスのような作りだったことがわかる。 縄文時代に詳しい小林達雄・国学院大名誉教授(考古学)は、「イスに座って行う何らかの儀礼の一コマを表現しているのではないか」と話している。
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