戦国武将の織田信長が1563年に初めて築いた愛知県小牧市の小牧山城跡で、山肌の岩盤を削って造った壁(高さ最大約5・5メートル、長さ約23メートル)が出土したと、同市教育委員会が7日発表した。 市教委は「信長は最初から壮大で堅固な城郭のプランを持っていたことがうかがえる」としている。 市教委によると、この壁は主郭(本丸)のすぐ下の登城ルート(大手道)から出土。堆積岩でできた岩盤を削って大手道を造成し、壁面の上部には石垣を積んでいた。当時としては例のない難工事といい、市教委は「家臣や領民に見上げられる存在になろうとしたことが、巨大な石の壁の上に居城を置いた理由の一つではないか」と分析している。 小牧山城は山頂の主郭が2~3段の石垣で囲まれていたことがわかっており、今回の発見で、石造りの部分は、より大規模に及んでいたことが判明した。