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ブックマーク / blog.livedoor.jp/route408 (18)

  • 「C2」が合成された話 : 有機化学美術館・分館

    5月13 「C2」が合成された話 カテゴリ:有機化学構造 有機化学は、いうまでもなく炭素原子を中心とした化学の分野です。炭素は極めて奥深い可能性を持ちますが、やはり一つの元素を世界の化学者がよってたかって200年も研究しているわけですから、炭素だけから成る全く新しい化学種が出てくることは、今やそうそうありません。1985年に登場したフラーレンはその数少ない例の一つであり、だからこそ科学者は驚きと興奮を持ってこれを迎えたわけです。 しかし最近になり、「C2」という化学種がフラスコ内で作れることが報告されました(論文。オープンアクセスです)。東京大学の宮和範准教授、内山真伸教授らの研究グループによる成果です。今回はこの何がすごいのか、ちょっと書いてみます。 水素や窒素、酸素といった元素は、それぞれH2、N2、O2といった二原子分子を作り、これらはいずれも安定に存在します。しかし炭素の二原子分

    「C2」が合成された話 : 有機化学美術館・分館
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    endo_5501 2020/05/30
    あ、すごい
  • 赤はなぜ色褪せるのか

    9月6 赤はなぜ色褪せるのか カテゴリ:有機化学構造 街を歩いていると、色あせた古い標識を見かけることがあります。 この標識は来鮮やかな赤色の矢印なのですが、ご覧の通りかなり褪色して薄いピンクのような色合いになっています。これに対し、国道のおにぎりマークや縁取りの青はまだ鮮やかさを保っています。このタイプの標識は、1995年から設置されるようになったものですので、20年ほどで赤だけがずいぶん色褪せてしまっているということになります。 このように、赤色が他の色より褪色しやすいというのは、ちょくちょくみかける現象です。ひどくなると下の写真のように、肝心なところがきれいに抜けて読めなくなったりします。大事なことは赤で書きたくなりますが、時の流れを考えるとあまり得策でないことがわかります。 さて、なぜ赤色はさめてしまいやすいのでしょうか?これは偶然ではなく、それなりの理由があります。まず赤い塗料

    赤はなぜ色褪せるのか
  • 日本発のエボラ治療薬となるか〜アビガンの話 : 有機化学美術館・分館

    10月27 日発のエボラ治療薬となるか〜アビガンの話 カテゴリ:医薬 西アフリカで発生したエボラ出血熱は、一部の国ではすでに鎮圧されつつありますが、いくつかの国では相変わらず猛威を振るっています。最近ではアメリカやヨーロッパにも飛び火し、日も対岸の火事とは言っていられない情勢になってきました。正直、政治家の皆様におかれてはうちわとかSMバーとかは後回しにし、こっちの対策をしっかり打ってくれよと言いたいところではあります。 そのエボラ治療薬として、日の薬が脚光を浴びています。富士フイルムの「アビガン」という薬で、もともとは富山化学が開発していた薬剤です。化合物名は「ファビピラビル」、かつてはT-705というコードネームで呼ばれていました。この薬が、恐るべきエボラウイルスに有効ではないかという結果が出つつあるのです。 抗ウイルス剤は、医薬の中でもいまだに最も難しい領域のひとつです。細菌の

    日本発のエボラ治療薬となるか〜アビガンの話 : 有機化学美術館・分館
    endo_5501
    endo_5501 2014/10/29
    エボラに効くかも、なんてどうして分かった?と思ってたけど、こういうことか。しかし、危険な薬だ。いよいよという時以外は服用したくないな
  • ナノチューブの「成長因子」 : 有機化学美術館・分館

    8月11 ナノチューブの「成長因子」 カテゴリ:炭素材料 カーボンナノチューブ(CNT)が画期的な材料であることは、館などでも何度か触れている通りです。ただしその応用がもうひとつ進まないのは、「形状の揃ったCNTが作りにくい」という点が、大きな障害となっているためです。 CNTは直径やねじれ具合が異なったものが無数に存在し、形状によって半導体になったり良導体になったり、性質が大きく違ってきます。これまでの方法では、いろいろな形状のCNTが混じったものしか得られず、ほしいものだけを作る方法は知られていませんでした。 さまざまなCNT 昨年、CNTの形状制御に大きく近づいたのは名古屋大学の伊丹らのグループです(記事)。彼らは、ベンゼン環がパラ位で環につながった「シクロパラフェニレン」(CPP)を有機合成の技術で作り、これをテンプレートにしてCNTを成長させる方法を編み出しました。しかしこれも

    ナノチューブの「成長因子」 : 有機化学美術館・分館
    endo_5501
    endo_5501 2014/08/12
    「径の揃ったCNT合成に向けて重要な一歩であることは間違いないと思われます」
  • 希少糖のこと : 有機化学美術館・分館

    3月20 希少糖のこと さて最近、希少糖ソーダなるものが出回っています。筆者もかつての毒物ドリンク探検隊の血が騒ぎ、一買ってみましたが、なかなか悪くありませんでした。 希少糖ソーダ(伊藤園) さてこの希少糖なるものはいったい何か――と調べてみると、要は天然の存在量が少ない糖類のことで、ここではD-プシコースというものが主成分のようです。あまり聞き覚えのない糖ですが、六炭糖のケトースということで、フルクトース(果糖)の異性体に当たるもののようです。 上はプシコースの6員環(ピラノース)型、下は環を開いた形。 このプシコースの何がありがたいのかといえば、砂糖の70%ほどの甘さがありながら、ほぼノンカロリーという点だそうです。そればかりか、小腸からのブドウ糖の吸収を抑えてくれるということですから、糖の取り込みに関わるトランスポーターに結合して、ブロックしてしまうということと思われます。 また、

    希少糖のこと : 有機化学美術館・分館
    endo_5501
    endo_5501 2014/03/24
    「六炭糖のケトースということで、フルクトース(果糖)の異性体に当たるもののようです」
  • ノルコロール〜できるはずのなかった化合物 : 有機化学美術館・分館

    6月30 ノルコロール〜できるはずのなかった化合物 カテゴリ:有機化学芳香族 最近、アクセスカウンタがうまく表示されない不具合が続いていたようです。どうもそうこうしている間に、200万アクセスに到達してしまったようですね。100万アクセスの時同様、プレゼント企画でもやるかと思っていたのですが。ちなみにブログ移行(2006年5月)から100万アクセス(2011年5月)までは約5年でしたが、そこから200万までは2年ちょいで到達しました。SNSの発達なんかのおかげかと思いますが、まあ今後とも頑張ってまいりたいと思います。 さて今回は、芳香族化合物のお話。芳香族化合物というのは、π電子を持った原子がくるりと環を作り、その共鳴効果によって全体として安定化するものです。ただしこのπ電子がいくつでもよいというわけではなく、(4n+2)個の時に安定化します。ベンゼンは典型的な例で、6個のπ電子が環をなし

    ノルコロール〜できるはずのなかった化合物 : 有機化学美術館・分館
  • ノーベル賞間近?PCP/MOFの化学(2) : 有機化学美術館・分館

    10月8 ノーベル賞間近?PCP/MOFの化学(2) さて以前書いたPCP/MOFの化学の続きです。 MOF-5 ご覧のように、PCP/MOFは内部にたくさんの空間を持ちます。ここに、各種の物質を吸収貯蔵することができるのが大きな特徴です。こうしたスポンジのようにたくさん穴を持った物質――多孔性物質は、何も特別なものではありません。昔から人類は、こうした物質を利用してきています。活性炭はその一例で、隅の内部に目に見えないほどの小さな穴が無数に空いています。活性炭はここに各種物質を吸着するため、脱臭剤などとしてよく使われるのはご存知の通りです。 また、ケイ素と酸素から成る「ゼオライト」という鉱物も、こうした多孔質材料の一種です。ケイ素と酸素が比較的大きな空孔を持ったネットワークを成しており、ここに各種の小分子やイオンを取り込むのです。最近では、福島第一原発の事故処理において、放射性セシウムを

    ノーベル賞間近?PCP/MOFの化学(2) : 有機化学美術館・分館
    endo_5501
    endo_5501 2012/10/08
    「PCP/MOFは分子と分子のすきま、空間を設計して利用するという、発想の転換に基づいた化合物群」フラーレンだけを選択して吸収したりもできるのか。凄いね
  • 作ってはいけない : 有機化学美術館・分館

    8月15 作ってはいけない 有機化学の研究では、非常に数多くの化合物を扱う必要があります。特に製薬企業の研究所などでは、最適な化合物を探索するために、いろいろなパーツを体に結合させて試す、いわゆる「置換基を振る」という作業があり、多くの試薬を扱うことになります。 この際、意外と簡単な化合物なのに、なぜか試薬として市販されていないことがあります。まあしゃあない、これくらい自分で作るか、とうかつに合成するとえらいことになるケースが世の中には存在します。 代表的なのはフェニル酢酸。簡単な構造で、ペニシリンGの置換基にも含まれていたりしますが、これを作ると覚醒剤取締法違反となってしょっぴかれます。これ自身に覚醒剤としての作用はありませんが、アンフェタミンなど合成覚醒剤の原料になるため、製造や所持に厳重な規制がかかっているのです。フェニルアセトンや、フェニルアセトニトリルもこれと同様です。そのわり

    endo_5501
    endo_5501 2011/08/15
    「意外と簡単な化合物なのに、なぜか試薬として市販されていないことがあります。まあしゃあない、これくらい自分で作るか、とうかつに合成するとえらいことになるケースが世の中には存在します」
  • 中国語の化合物名 : 有機化学美術館・分館

    7月18 中国語の化合物名 他のあらゆる業界同様、化学の世界も近年中国の進出が目立っています。で、漢字の国であるかれらはどのような化学用語を使っているの。実は筆者も結構な漢字マニアでありますので、調べてみるとなかなか面白かったりします。 中国では元素ひとつひとつに漢字が当てられているのはわりに有名かと思います。周期表だとこんな感じです。 (クリックで拡大。著作権フリー、持ってけドロボーです。) いや、見てると面白いですね。金銀銅や鉛みたいななじみ深い漢字もありますが、水素や窒素、酸素なんかはどうしちゃったのあなたという字に化けています。イットリウムとガドリニウムは間違えそうだなあとか、タリウムとジスプロシウムはどこかで見たことある字だなとか、いろいろ面白い。このような次第で、周期表が1ツイートに丸ごと収まってしまいます。漢字の力を感じますね。 文字の作りとしては、いわゆる形声文字になってい

    中国語の化合物名 : 有機化学美術館・分館
  • 軌道電子の単離に成功 : 有機化学美術館・分館

    4月1 軌道電子の単離に成功 原子から電子を奪ってイオン化することは、化学者にとって日常的な操作といえます。例えば金属に酸化剤を作用させると電子が奪われ、金属の陽イオンが発生します。しかしこの操作を、物理的な方法で行うと、少々違う様相を呈します。 イタリアのBugiardoらは、極低温下でアルカリ金属に、厳密にエネルギーを制御したアト秒パルスレーザーを連続的に照射することで、最外殻のs軌道電子を飛ばすことに成功しました。この時面白いのは、電子が球状のs軌道の形状を保ったまま分離されてくることです。カリウム・ルビジウム・セシウムに対して適当なエネルギーのレーザーを照射することで、それぞれ4s・5s・6s軌道の電子が単離されてきます。軌道の形状が保たれたまま原子を離れてくるというのはちょっと驚きです。 単離された軌道電子はやや意外なことに室温で液体であり、4s電子は青緑、5s電子は藍色、6s電

    軌道電子の単離に成功 : 有機化学美術館・分館
    endo_5501
    endo_5501 2011/04/02
    なにこれ、理解できない
  • 化学・30年後の夢は何か(2) : 有機化学美術館・分館

    8月28 化学・30年後の夢は何か(2) さとうです。新潮ドキュメント賞は残念ながら獲り逃がしました。まあ5作品中3作品までは残ったということで、かなり高く買って下さった審査員もいたと聞いており、これをはげみに次回また頑張りたいと思います。 さてTwitterにて募集しました、「化学が30年後に目指す夢」の続きを行ってみましょう。 「最近は分子を見れつつあるし、外科手術みたいな感じで化学結合を作ったり、切ったりできたら素敵」 なるほど。これで量産が利くかという問題はあるわけですが、たとえばいくつかの分子を組んで「人工種結晶」を作り、そこから結晶成長なんてことができると画期的かもしれません。 ヒトの痛覚や情動や記憶学習機能を化学物質の簡便な定量で把握できるといいな。あくまで病気の診断や臨床効果の判定の手段として。 そもそも痛覚や感情は、化学物質の多寡に還元できるものなのか?というレベルも含め

    化学・30年後の夢は何か(2) : 有機化学美術館・分館
    endo_5501
    endo_5501 2010/08/29
    たぶん、4つ目の「ふわふわ」は野尻抱介氏作の「ふわふわの泉」に出てくる内部真空の立方晶窒化炭素でできた泡みたいな物質のことかと
  • 酒で超伝導を起こした話 : 有機化学美術館・分館

    7月28 酒で超伝導を起こした話 さて今回は「有機化学」という筆者の守備範囲から外れますが、あまりにも面白い話題があったのでそちらで一書いてみます。 今回の主役・赤ワイン 超伝導と呼ばれる現象があります。絶対零度近くの超低温で電気抵抗が全くのゼロになってしまう現象で、1911年にカメリン・オンネスによって発見されました。 その75年後、突如として世界を揺るがす発見がありました。スイスのIBMチューリッヒ研究所にて、ランタン・バリウム・銅の酸化物がかなりの高温で超伝導を示すことが発見されたのです。やがて組成を変えることによって転移温度(超伝導を起こす温度)はさらに高まることがわかり、世界中の物理学者に大フィーバーを巻き起こすことになりました。この功績により、発見者のミューラーとベドノルツは1986年のノーベル物理学賞を受賞しています。発表から受賞までわずか半年というのは空前の記録であり、今

    酒で超伝導を起こした話 : 有機化学美術館・分館
  • タミフルのある幸運 : 有機化学美術館・分館

    10月25 タミフルのある幸運 近く行われる学会でインフルエンザ治療薬について語るため、資料作りを進めています。いろいろと調べてますが、やはりタミフルという薬は凄いのだなあという思いを新たにしています。 (タミフル) 昨日(10月24日)、アメリカではオバマ大統領が新型インフルエンザ問題で「国家緊急事態」を宣言しました。アメリカではインフルエンザの感染者が数百万人、死者が1000人を突破し、いまだ鎮静の兆しが見えないことからついにこの宣言に踏み切ったようです。これによって議会の手続きなどを経ずに措置が可能になりますので、アメリカは今後思い切った手段を打ってくることになりそうです。 インフルエンザ患者に対する治療方針は、今のところ日米で大きな差があります。アメリカでは、米疾病対策センター(CDC)が「健康な人は新型インフルエンザに感染しても、タミフルやリレンザなど抗ウイルス薬による治療は原則

  • 続・汚染米のこと : 有機化学美術館・分館

    9月22 続・汚染米のこと 相変わらず壊れたパソコンは帰ってこず、関係各位にご迷惑をおかけしておりますさとうです。いろいろ申し訳ありません、皆様。 ところで前エントリの「汚染米のこと」はやはり各方面から反響があったようで、アクセスがふだんの3倍にもなりました。やはりこの事件についての世間の関心は大きいのだな、と改めて思った次第です。 筆者もいくつか見て回りましたが、今回の汚染の危険性について詳しく分析しているサイト・ブログもいくつかあったようで、参考までに以下に紹介しておきます。 ・NATROMの日記 ・ニュースな待合室 ・市民のための環境学ガイド こうした問題の分析は多くの仮定が入らざるを得ないので、はっきりと誰もが納得できる数字で結論を出せる性質のものではありません。ただ、いずれもメタミドホス・アセタミプリドのリスクはほぼ無視してよく、心配するならアフラトキシンであること、それも今回の

    続・汚染米のこと : 有機化学美術館・分館
  • 退職のご挨拶 : 有機化学美術館・分館

    12月30 退職のご挨拶 いろいろあって1年以上雑文を書かずにおりました。で、久々の更新でこういうことを書くのも何ですが、このたび長年勤めた会社を退職することとなりました。平成20年1月1日をもって、佐藤健太郎はフリーとなります。別に不祥事をやらかしてクビになったとか、職場の人間関係に悩んでとかではなく、自分の意志で選択・決断しました。 で、次どうするかですが、実はまだ何も決めていません。何考えてんだこのバカと言われそうですが、次の就職先はまだ何も考えていません。幸い次のの話をいくつかいただいてるのと、雑誌連載の話なんかもいただいていますので、しばらくは物書きのまねごとなどしてみようかと思っています。 なんでまたこのご時世に安定した職を自らなげうつのか、理由はいろいろあるので一口には語れませんが、実は4〜5年前から密かに悩んでいたことではありました。とりあえず一番の理由は、メディシナルケ

    退職のご挨拶 : 有機化学美術館・分館
  • 有機化学美術館・分館:鉄のにおいの正体

    11月1 鉄のにおいの正体 カテゴリ:有機化学 臭いがする化合物というのは、多くの場合適当な分子量を持った有機化合物です。しかしある種の金属、例えば鉄からは臭いを感じることがあるのも事実です。校庭の鉄棒や、鉄製の工具などを触った後の手からはなかなか抜けない独特の臭いがして、閉口した記憶をお持ちの方も多いことでしょう。 しかしこれは考えてみれば不思議なことです。臭いを感じるということは、化合物が揮発して鼻の感覚細胞に付着して初めて起こることですが、沸点1535度の鉄がそう簡単に揮発するはずもありません。ではあれはいったい何の臭いなのでしょうか? このほどライプチヒ大学のGlindemannらのチームがこの謎(?)の解明に挑みました。彼らは鉄イオン(Fe2+)と人工の汗とを人間の皮膚に作用させ、発生する化合物を捕らえてガスクロマトグラフィーで分析する実験を行ったのです。結果、鉄イオンに触れた皮

  • 尿酸は「天才物質」なのか? : 有機化学美術館・分館

    8月11 尿酸は「天才物質」なのか? カテゴリ:有機化学 天才の存在というものは、この世界の大きな謎です。学問、芸術、音楽、スポーツなど、ずば抜けた能力を持つ彼らの頭脳の中にはいったい何があり、どんなことが起こっているのか。その秘密に少しでも迫ることができるなら、我々凡人も少しでも彼らに近づくことができるかもしれない――。天才を生み出すメカニズムが人々の興味を引くのも、まず当然のことといえるでしょう。 さて以前「プリン体の話」という項目で、痛風という病気のことを書いたことがあります。べ物に含まれるプリン体が体内で代謝されてできる「尿酸」という物質が関節にたまることによって起こる病気であり、ぜいたくな生活の産物と考えられている――と。そして痛風に苦しめられた歴史上の人物として、アレクサンダー大王、神聖ローマ皇帝カール5世、フランス王ルイ14世、ミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、ゲーテ、ニュー

    尿酸は「天才物質」なのか? : 有機化学美術館・分館
  • アセトンが作り出したもの : 有機化学美術館・分館

    8月3 アセトンが作り出したもの カテゴリ:有機化学 有機合成系の研究室に欠かせないアイテムの一つに、アセトンの入った洗びんがあります。アセトンは多くの化合物をよく溶かし、水とも有機溶媒とも自由な割合で混ざり合うことができます。安価で毒性も低く、沸点も手頃(56度)ですからすぐ乾くのもよいところで、反応に使った器具の洗浄には欠かせない存在です。一般には主にマニキュアの除光液として用いられますが、これも優れた溶媒としての特徴を買われてのことです。 アセトンが安価に手に入るのは、工業的に価値の高いフェノールを合成する際の副産物として得られるからです。いわゆるクメン法と呼ばれるプロセスで、高校の教科書にも取り上げられるくらい有名な反応です。またプロピレンのワッカー酸化によっても得ることができ、いずれもプロセス化学の金字塔といってよいような非常に優れた反応です。 (クメン法。クリックすると拡大)

    アセトンが作り出したもの : 有機化学美術館・分館
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