Yahoo! JAPAN - 秒速5センチメートル

「秒速5センチメートル」は、ひとりの少年を軸にして描かれる、独立した3本の作品からなる連作短編アニメーションです。 時代は1990年代前半から現代までの日本。場所は少年の人生に沿って東京や地方のいくつかを変遷します。 この作品には、他の多くのアニメーション作品に見られるようなSFやファンタジーなどの架空の要素は登場しません。そのかわり徹底したロケハンを行い、今この現実をアニメーション表現の中にすくい取ろうと試みています。 我々の日常には波瀾（はらん）に満ちたドラマも劇的な変節も突然の天啓もほとんどありませんが、それでも結局のところ、世界は生き続けるに足る滋味や美しさをそこここに湛（たた）えています。 現実のそういう側面をフィルムの中に切り取り、観終わった後に、見慣れた風景がいつもより輝いて見えるような、そんな日常によりそった作品を目指しています。 新海誠 プロフィール 1973

[I11]

新海誠が描く風景の美しさは、第三世界の犠牲や大量消費社会や借金行政といった幻想に支えられた社会の美しさ。それは「いつかは壊れる幻想」だ。誰かを犠牲にして成立した美であることに気づかない無神経さ。