声を聴くことについて - 内田樹の研究室

朝8時半から講堂で中高部の生徒たちのために奨励。 「奨励」というのは、キリスト教の礼拝の中で、聖句をひとつ採り上げて、それに基づいてお話を一つすることである。 私が採り上げたのは、『コリント人への手紙一』７：２４ 「兄弟たち。おのおの召されたときのままの状態で、神の前にいなさい」という聖句である。 私はこの聖句から「召命について」という奨励を行った。 レヴィナス老師が教えるように、聖句の意味を知るためには、必ず前後の聖句を読まなければならない。 聖句の意味は文脈依存的だからである。 ７章は性愛と結婚についての教えが書かれている。 基本的な考えは「夫は妻を離別してはならない。妻は夫と別れてはならない」ということである。 結婚したら、「そのまま」でいなさいというのが聖書の教えである。 与えられた状況でベストを尽くせ、と。 「おのおの自分が召されたときの状態にとどまっていなさい。」（７：２０）

[automatic214]

召命。服喪ということ。

[nekotetumamori]

あとで読む

[heis101]

「子どもが父母の声を聴き取るまでに３年かかったなら、父母の声が聞こえなくなるまで３年かける」「人間の世界はそのように「いまだ到来しないもの」と「すでに立ち去ったもの」の間の中空に構築されている。」

[tmkksm]

「死者の声が聞こえなくなるまで３年待つ」成程。

[ymdymdymd]

『神がそこにおいて私たちを「召した」ということは、「そこ」に私たちが果たすべき仕事があるからである。』→そしてその果たすべき仕事が何であるのかは、「聴く」のであって「考える」のではない。

[Miya]

"まず学ぶべきことは「聴く作法」"

[genbara-k]

「「存在しないもの」とかかわる術を学び、人間性を基礎づける」／倫理の後ろ楯になるのは「物語」なんだよな。／“思想”はフィクションだけれども、そこに語り手の熱と知性と体重が宿っていれば、だ。

[dohenkutsu]

内田哲学の真骨頂？　"服喪儀礼とは、死者に対して礼を尽くすことが目的ではない。死者に対して礼を尽くすことを通じて、「存在しないもの」とかかわる術を学び、人間性を基礎づけることが目的なのである。"

[tsuyok]

聴こえない声に耳を傾ける。そこにこそその人の本質がある。簡単な作業ではないけれど、そこと向き合ってこそ、充実した人生を歩めると思う。

[wander1985]

「存在しないもの」とのつきあいかた。

[newdadjp]

聴く作法。