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冒険野郎フンボルトと数学王ガウスの物語「世界の測量」
俗物ガウスと堅物フンボルト。ふたりの交錯する人生が面白い。 れっきとした文芸書なのに、専門書のよう... 俗物ガウスと堅物フンボルト。ふたりの交錯する人生が面白い。 れっきとした文芸書なのに、専門書のようなタイトルで損している。史実を織り交ぜながら書き手の自由にフィクションを作り上げている。この立ち位置は、時代小説と一緒。 ガウスを奇数章、フンボルトに偶数章に重ね合わせ、二人の途方もない人生を描く。もしも「偉人」を等身大の人間として描いたら、傍目には「奇人」に見えるだろうね――その想像ど真ん中どおり、期待を裏切らない。 まず、ガウスが不憫で不憫でならんかった。 「数学王に、俺はなる!」とは宣言しなかったものの、彼の生涯で数学に費やされた時間はあまりにも少ない。生まれた時代を完璧に間違えてたね、生活の糧のためにその知性を使わせたのは神の誤算とも人類の失策ともいえる。その一方で、娼家と正妻を行き来し、ヤることと研究を両立させている世知に長けた一面が垣間見えて、非常に興味深い。 たとえば、新婚初夜の
2012/06/05 リンク