住所すら知らない

僕は山木さんという人と一緒に生活している。 かれこれ25年の付き合いになるが、この名前は最近知った。 小さい頃から色んな話をしたり、色んなことを教えてもらった。 僕は、昔から周りの子が出来ないことが簡単に出来てしまうらしく、親や親戚、近所のおばさんに将来が楽しみねと言われた。 しかし、大人になった僕は天才には程遠く、周りに迷惑ばかりかけている。 無能、なんでこんなことが出来ないの、死ね、様々なことを言われた。 僕は、現実世界に友人というものがいなかった。 みんなマニックスのリッチーのように僕を置いていってしまうんだと思っていた。 そんな僕でも、今はIT企業に就職し、なんとか働くことができている。 定型作業ばかりやらされているとき、上司の人がこんなことを言った。 「会社は一人では動かせないんだよ、増田くんの今やっている作業もその一つなんだ、 こういう作業をしている人がいることを知らずに生活し