結婚適齢期の女性が「クリスマスケーキ」と呼ばれ、未婚男性が「甲斐性なし」と言われた時代は終わったが、いまだ揺れ動く「家族観」（橘木 俊詔,迫田 さやか）

統計・調査が明かす、夫婦のリアル！ 年間21万件、離婚率1.68%。 個人が別れを選択する理由は人それぞれ。 しかし、離婚という鏡を通すと、日本社会の姿が見えてくる。 日本の労働市場の問題点が凝縮する母子家庭の貧困、離婚と所得の関係……。 家族のかたちが不平等を拡大させてしまう現代日本を考える。 ＊本記事は橘木 俊詔 , 迫田 さやか『離婚の経済学 愛と別れの論理』（講談社現代新書）から抜粋・再編集したものです。 結婚しなくても幸せになれるこの時代 ２０１７年の総合結婚情報誌『ゼクシィ』のＣＭは衝撃的だった。「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」。仕事に生きがいを感じ、友人、趣味などに囲まれているなら、現在は、結婚しなくても幸せになれる時代だと再認識させられる。愛情を感じて真剣に付き合う相手がいても法律婚（婚姻届を提出し、法的に結婚を認められること）をしな