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【雑記】或いは、この温もりが恋だとして。 - ヒロの本棚
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【雑記】或いは、この温もりが恋だとして。 - ヒロの本棚
風が吹いていた。 真冬にしては珍しい強い低気圧が列島を包み、僕が住む街にも雪が降り続けている。 夜... 風が吹いていた。 真冬にしては珍しい強い低気圧が列島を包み、僕が住む街にも雪が降り続けている。 夜の帳が落ちた街。 街灯に照らされたアスファルトのステージで雪の精が踊り続ける。 この国の最南端に位置するこの街では、雪は積もらずに明日には夢のように消えてしまうだろう。 そう思うと。 今目の前で振り続け、僕の体を冷やし続けている淡雪でさえも。 愛おしく感じてくる。 立ち止まって、空を見上げる。 星のない空はどこまでも深く暗く。 広げた手のひらで雪は溶けてなくなった。 アパートのドアを開けると、君が笑顔で迎えてくれた。 「まぁ、あなた幽霊でも見てきたようなひどい顔をしているわね」 含み笑いをして僕を抱いて迎え入れる。 凍りついて僕の身体に少しずつ明かりが灯るような気がする。 「外が寒すぎて・・・。この冬一番の冷え込みだってさ・・・」 君をかき抱くようにして凍てついた身体を擦り付ける。 とても温か