第1話 - 「もったいない」（@key-amb） - カクヨム

「じゃあ、こちらのソファ持って行きますね」 「お願いします」 新調したブルーのソファを部屋の中央に置き、古いソファは業者にそのまま引き取ってもらった。 妻は新しいソファを気に入ったようだった。 「これで一通り揃ったかな」 世田谷の新居に引越してからというもの、妻の希望でそれまで使っていたあらゆる家具、家電を買い換えた。 まるで、一切の過去を精算するかのように。 私は主に金銭的な理由で反対したが、結局は折れた。 「まだ、そこのテーブルが残ってるわ」 妻はダイニングテーブルを指差した。 半年前に IKEA で買ったものだ。 私はため息をついた。 「まだ使えるのに。あんまり物を捨ててると、もったいないオバケが出るよ」 「なにそれ」 「知らないの。もったいない、もったいないって言うオバケだよ」 「ああ」 ようやく妻は思い当たったようだった。 「そのお化けなら、もう来てるよ」 「え」 霊感があるとい

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なんかふと思いついて書いた。488字。

[progrhyme]

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