なにさま映画評

伊坂幸太郎氏の小説『マリアビートル』を原作とする映画です。伊坂幸太郎という作家には、とても個人的な理由で思い入れがあります（仔細は述べませんが、ぼくのような種類の思い入れを抱く人間は、おそらくごくごく限られているはずです）。新刊も逐次チェックしており、彼の作品がハリウッドに行ったと聞くに及んでは、観に行かねばならぬと思っておりました。日本でも『ゴールデン・スランバー』や『アヒルと鴨のコインロッカー』、『陽気なギャングが地球を回す』などが映画化されていますが、いよいよアメリカの映画界に認められるようになったのか、さすがだなあ、やっぱすごいや、と敬服の限りであります。 さて、ブラッド･ピット主演の痛快クライムアクションたる本作ですが、もっぱらの舞台は日本の新幹線。本作の日本はいわゆる「インチキニッポン」で、この手の妙ちきりんな日本描写は独特の面白みがありますね。ネオンバリバリ、ともすると中国の

[yanbe]

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