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その男の顔立ちは中学生の面影を強く残してはいなかった。けれども私にはすぐにわかった。私が知るかぎ... その男の顔立ちは中学生の面影を強く残してはいなかった。けれども私にはすぐにわかった。私が知るかぎりもっとも卑しい声をその男は持っていた。大人になってもそれは変わっていなかった。よりくっきりと、臭気を強くしているように思われた。それは背後から聞こえた。いいとこ勤めてんじゃん、保証人とかどうしたの、あの会社いいかげんなんだなあ、ネットに書き込みしとかないと。あ、それとも福祉枠みたいな?そういう系? シセツ、と男はよく言った。まだ少年だったころ、児童養護施設から通っているクラスの女の子について、まるでそれが名前であるかのように。シセツって生きてて恥ずかしくないのかね、人の税金使ってメシ食って。給食くってるの目に入ると気色悪い。施し受けてる豚じゃん。 私が振り向くとすでに施設育ちの彼女の親友だった人(今でもきっとそうなのだろう)が立ちはだかり、黙っている彼女の手を引いた。ふたりを背に回して私が立ち
2015/11/10 リンク