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「映画の中で生き続ける」|いせフィルム
2022年 11月 「わたくしは死んではいけない わたくしが死ぬとき あなたがほんたうに死ぬ」 つい最近の... 2022年 11月 「わたくしは死んではいけない わたくしが死ぬとき あなたがほんたうに死ぬ」 つい最近の新聞紙上で、永田和宏さんという歌人が亡き妻のことを歌った短歌が、目に止まった。 丁度インドネシアでの、自作『いまはむかし 〜父・ジャワ・幻のフィルム〜』の上映巡業から帰った頃だった。戦時中、父が三年半にわたってインドネシアで国策映画を創り続けたことを描いた映画だったので、もう遠い昔に死んでしまった父が行きたかったに違いないインドネシアを、80年ぶりに再訪する旅でもあるのだ…と想い入れをしながら旅をした。 父が働いた撮影所、父が訪ねた史跡、父が好きだった歌♪ブンガワンソロ♪のソロ河の水の流れ…。しきりに父のことを想いながらの旅だった。 地味な記録映画を職人的に創り続けた父だったから、もう映画人としては忘れられた存在かもしれない。けれども『いまはむかし』という一本の映画が出来たことで記憶に