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彼女の事を「可哀想」なんて思う人が、居ませんように - キツツキゲーム
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彼女の事を「可哀想」なんて思う人が、居ませんように - キツツキゲーム
お酒好きの後輩が居た。 背が高くて、手足が長くて、顔が小さくて。 モデルの様に美しい人だった。 偶に... お酒好きの後輩が居た。 背が高くて、手足が長くて、顔が小さくて。 モデルの様に美しい人だった。 偶に会う度に「えみさん、えみさん」と笑顔で駆け寄って来てくれる無邪気で陽気な可愛らしさも持ち合わせていた。 色気があって、 可憐で、 凛としたしなやかさの有る女性だった。 彼女には母親が居なかった。 正確には、母親が居る事を彼女自身が否定していた。 曰く、彼女がまだ幼かった頃、本夫以外の男性と出て行ってしまったのだと言う。 「あんな女、母親だと思った事はありません」 飴玉を転がす様な、軽やかな口調だった。 その時の声の滑らかさも、戯る様に囀る語り口も。 内容が余りに噛み合わなくて、 10年近く経った今でも、 時折その一節ばかりが山彦の様に頭の中を反響する。 同情なんてした事も無い。 感覚の無い私には、 感覚を知らない私には、 その気持ちを推し測る事さえ憚られて、 許されない事の様に感じたから。