【プレスリリース】宿主の理にかなった逃避が 逆に寄生者の蔓延をうながすことを発見 | 日本の研究.com

研究成果のポイント他の生物に寄生された生物（宿主）は，自身の体力に応じた合理的な逃避行動をとることを発見。感染個体の合理的な逃避行動が寄生者のさらなる蔓延まんえんを招くことを，数値シミュレーションで証明。“感染個体”にとっては合理的な行動が，非感染個体も含む“宿主集団”には寄生者の蔓延という不利益をもたらす。 研究成果の概要逃げるべきか，逃げざるべきか。自然界で寄生者に感染してしまった動物（感染個体）は，この苦渋の選択に迫られます。感染源から逃れたい一方で，自然界での移動はとてもリスクが高いからです。こうしたジレンマの中で，感染個体がどのような逃避行動をとるのかは従来未解明でしたが，今回，照井研究員らの研究グループは，サクラマスとその寄生者（カワシンジュガイ）を対象に，「体力のある感染個体だけが逃げる」という合理的な行動をとることを発見しました。しかし皮肉にも，サクラマスのこの逃避行動は，