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昔書いていた詩(106) 「ピンポールカメラ)」 「樹皮」 - seibei414's blog
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昔書いていた詩(106) 「ピンポールカメラ)」 「樹皮」 - seibei414's blog
ピンポールカメラ 山で何をなくして 何を拾いたいのか 沸き上がるガスの中で 腐食されたピンポールカメ... ピンポールカメラ 山で何をなくして 何を拾いたいのか 沸き上がるガスの中で 腐食されたピンポールカメラの針穴から 無制限に引き延ばされた二重写しの峰々 山肌と貴女の 心の襞に立てば 何時か何処かで 記憶の冬の谷に 埋没した合言葉が 蘇生する ああ 山で 何を失くして 何を拾いたいのか やがて貴女は 群青色の変色した 都会に帰ってゆく ひとりで いつも歩いている 誰にも聞かれない 言葉の持ち主より 一番遠く離れた登山者 樹皮 暁の天空に 直立する 私 樹に 貴女の名前を 愛の斧で 刻まれ 傷心のケヤキとなった 私 樹皮を剥ぎ 貴女の言葉や 記憶を ゴミ捨て場の テ―プレコーダーで 再生してみても 不自然に 明るい空を 印画してしまった 私は 冬枯れ田圃の ガラス氷のような 朝を迎える