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第二十九回 KKD - 映画『ゲド戦記』監督日誌
作画にしろ、色の指定にしろ、 毎日、現場でその道のプロとやり取りをしていて思うのは、 本を読んで勉... 作画にしろ、色の指定にしろ、 毎日、現場でその道のプロとやり取りをしていて思うのは、 本を読んで勉強してもしょうがない。 それよりも、見逃さず、聞き逃さず、 技術を勉強するんじゃなくて、盗めということ。 勉強した知識なんて、 実際に、その場その場の判断を求められたときには、 ぜんぜん役に立たない。 前に勤めていた設計事務所で、主に下水道の設備を専門にしていた 大ベテランの技術者のオヤジさんの口癖は、 「土木はKKDだ!」でした。 K=経験、K=勘、D=度胸です。 現場は常に複雑です。 たとえば、ある道路のU字溝を設計するとします。 水を流すだけなら、20センチの幅があればよいのですが、 このあたりは泥がたまりやすい。 だから、スコップの入る30センチまで広げてつくっておいたほうが、 コストはかかるけれど、後々のメンテナンスを考えると効率的である、 といった具合です。 知識だけでは、臨機応変
2006/05/01 リンク