【経済インサイド】負担の矛先は高所得者か高齢者か…「財布」直結の所得税改革の行方混沌 税のひずみにメス入るか（1/4ページ）

政府税制調査会が所得税の抜本改革に向けた議論を始めた。人口や世帯構成、働き方など経済社会構造が大きく変わる中で、生活実態とのずれが広がった税体系の再設計は待ったなしだ。これからの日本の成長を担う若い世代の負担増を抑え、安心して結婚や子育てができるようにするのが主旨だが、負担が増える人には不満になるだけに一筋縄ではいかない。来年夏の参院選を控え、庶民の財布に直結する改革をまとめることができるのか－。 税のオーバーホール！？ 「税体系全般にわたるオーバーホールを進める。将来の成長の担い手である若い世代に光を当てることで、経済成長の基盤を再構築する」 政府が６月末に決めた経済財政運営の指針「骨太方針」の歳入改革に明記された一節。ここに政府が実行しようとしている所得税改革の方向性が凝縮されている。 所得税の控除制度などの基本構造は昭和３０年代までにつくられた。夫が会社員で妻が専業主婦の世帯が多数を

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２８年度税制改正は「来年夏の参院選を前に、多くの高齢者にとって増税になるような改革を打ち出すことは難しい」（財界首脳）との見方もある。