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荒木経惟 「彼岸」 (ラットホール・ギャラリー)
壁面にグリッド状に展開される約400 点のキャビネ判の写真は、荒木が前立腺癌の治療を受けながら、記録... 壁面にグリッド状に展開される約400 点のキャビネ判の写真は、荒木が前立腺癌の治療を受けながら、記録的猛暑となった2010 年夏の東京をタクシーの窓越しに撮影したものです。これまでも荒木は、「クルマド」シリーズとして同様の撮影を長年続けてきましたが、本展の写真は200mm 望遠レンズで撮影されており、街の日常的な光景に「喪失感」を重ねながら、彼岸を見つめるかのように、あるいは彼岸から見つめるかのように、荒木は様々な人々の姿かたちにレンズを向けています。 震災後に撮影され始めた作品が約40 点、そして「楽園」シリーズの大型プリントは10点展示されます。「現世そのものが彼岸。つまり、写真のすべてが彼岸なんだ」と、3月11日以来しきりに口にする荒木にとって、両作品は大地震以降の自らの写真のあり方を示す ものとなっています。色鮮やかで情熱的な花と自宅のバルコニーに住む怪獣のフィギュアや人形が登場す
2011/07/22 リンク