【東日本大震災】茨城・笑顔でがんばっぺ（２）芸術の力、初めて心で感じた 茨城県天心記念五浦美術館学芸員・中田智則さん＋（1/2ページ） - MSN産経ニュース

高い白い壁と大きなガラスケース。何も飾られていない部屋は広さばかりが目立ち、寒々としている。 「作品を展示し、それを見る人がいて初めて美術館といえる。今はただの建物。美術館じゃない」 茨城県天心記念五浦美術館（北茨城市大津町）の企画普及課主任学芸員、中田智則さん（４０）は、がらんとした同館展示室で現在の気持ちを漏らした。常設の資料が展示される岡倉天心記念室も同様に空っぽのガラスケースの上に説明パネルだけが並ぶ。 １１月１日再開がようやく決まり、やるべきこともはっきりしている。ただ、いつ再開できるか、予定していた企画展ができるかどうか分からない時期は「心が折れそうだった」という。 ３月１１日、中田さんは「これまで聞いたことのない、にぶい波の音を聞いた」。吉川常英館長（６４）は来館者の避難誘導中、約２・５キロ北の平潟漁港の岸壁が崩落するのを目の当たりにした。 近くにあった岡倉天心ゆかりの「茨城