【関西事件史】附属池田小児童殺傷（６）奸智にたけた凶悪犯（1/4ページ） - MSN産経west

深夜というより日付が変わって、現場で取材にあたっていた記者たちが本社に戻ってきた。 梅雨入りしたばかりの蒸し暑い空の下で、一日中かけずり回っていたせいか、あるいは悲惨な事件をそれぞれにかみしめているのか、誰も口数が少なかった。 午前２時を過ぎて、朝刊作りが終わって静かになった編集局で、部長会議や朝・夕刊の打ち合わせに使う中央のテーブルに全員が集まった。 支局から社会部に配属になったばかりの若い記者に声をかけた。 「キミ、何年目や？ オレは２６年新聞記者やっとるけど、こんな事件初めてや。いい勉強になるで。社会部長になったら、みんなに言うたれ。若いころ、池田の事件を取材したんやと」 軽口で重い雰囲気を変えようとしたのだが、疲れているのか、期待した反応はなかった。 翌日も早朝から取材しなければいけない。早く解散した方がいいと、事務的に指示と注意事項を話した。 亡くなった８人の児童の遺族にひとりず