FujiSankei Business i.／Bloomberg GLOBAL FINANCE：特集／ラスプーチンと呼ばれた男 佐藤優の地球を斬る／プーチン「２０年王朝」へ布石

６日、プーチン露大統領は、フラトコフ前首相を対外情報庁（ＳＶＲ）長官に任命した。この小さな人事を読み解くとプーチンの野望が浮かび上がってくる。まさに「神は細部に宿りたまう」のだ。 ＳＶＲは、旧ソ連国家保安委員会（ＫＧＢ）第一総局（ＰＧＵ）の後継インテリジェンス機関である。ロシア国外の諜報（ちょうほう）活動については、基本的にＳＶＲが行う。「基本的に」という留保をつけたのは、軍事諜報に関しては参謀本部軍諜報総局（ＧＲＵ）が国外でも情報収集や工作活動を行い、一部の独立国家共同体（ＣＩＳ）諸国では、ロシア国内の防諜を担当する連邦保安庁（ＦＳＢ）が活動しているからだ。例えば、チェチェンに関して、グルジアとの国境地帯のパンキシ渓谷に、反ロシア派チェチェン系武装集団の訓練基地が置かれている関係で、ＦＳＢがグルジア国内でも情報収集や工作活動を行っていることは、公然の秘密だ。 ＳＶＲは、情報収集や