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企画展 「中世東国と改元」|公益財団法人府中文化振興財団
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企画展 「中世東国と改元」|公益財団法人府中文化振興財団
福徳元年の銘がある板碑 府中本町駅前の発掘調査で、石の供養塔―板碑―が出土しています。板碑そのものは... 福徳元年の銘がある板碑 府中本町駅前の発掘調査で、石の供養塔―板碑―が出土しています。板碑そのものは中世の東国、特に武蔵では盛んに造立されていて、けっして珍しいものではありません。しかし、ここで出土した1枚には見慣れない年号が刻まれていたのです。それは〈福徳元年〉。 そもそも年号は、天皇即位や災厄などを理由に、基本的には朝廷が定めるものでした。国家君主である天皇が空間だけでなく時間をも支配するという思想に基づいていたようです。その数は240を超えます。しかし、このなかに〈福徳〉という年号はありません。このように朝廷が公式に定めたものではない年号を「私年号」といいます。実は、古代以来少なくない数の私年号が使われているのですが、とりわけ中世後期の東国で多く確認されています。そのほとんどは、府中本町駅前で発掘されたものがそうであるように、板碑のような宗教関係の遺品に見いだせます。 中世東国の人び