第16回 「７つの名を持つ原作者」樹林伸（1990～94年） 『少年マガジン クロニクル』 #マンガ -Fujisan 読み物

●プロデューサー・システムの申し子 樹林伸（きばやししん）の名は、一般にはそれほど知られていないかもしれない。しかし、マンガ業界では「超」がつく有名人だ。 『金田一少年の事件簿』の原作者・天樹征丸、『Get Backers』の青樹佑夜、『エリアの騎士』の伊賀大晃、『ブラッディ・マンデイ』の龍門諒、『探偵犬シャードック』の安童夕馬、『神の雫』（「モーニング」連載）の亜樹直。すべて、樹林のペンネームである。 人呼んで「７つの名を持つ原作者」――。多くのペンネームを使い分け、2011年12月現在で「少年マガジン」に３本もの連載を抱える「平成の梶原一騎」とも呼べる活躍を見せる。さらに本名で小説まで書くのだから、梶原以上かもしれない。 いくつもペンネームを持っているのは、「読者に先入観を与えず、常に新人として向き合いたいから」と樹林は説明する。 「小説で毎回ペンネームを変えていては、どんなに面白い