〈上〉被災地の「英雄」一転 : 山田町NPO事件 : 企画・連載 : 岩手 : 地域 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）

事業急拡大乱脈支出 「よし、入ろう」 ４日午前７時。雪がちらつく氷点下１１・２度の北海道旭川市内。段ボールを持った県警捜査員ら計５人が岡田容疑者の自宅アパートの捜索に入った。 約３時間半後、捜査員に伴われ、岡田容疑者が玄関から現れた。一瞬立ち止まり、周囲を見渡した。 「被災者にコメントは」 集まった報道陣が問いかけたものの、口を真一文字に結び、ゆっくりと車に乗り込んだ。法人を巡る問題は発覚から約１年２か月で、刑事事件に発展した。 ◇ 津波で６７０人が死亡、１４８人が行方不明となった山田町。幹部職員の一人は、震災直後の２０１１年３月２７日、ボランティアとして訪れた岡田容疑者の姿が忘れられない。 「ヒーローだったんだよ」 町職員にはさばききれない支援物資の仕分け、がれき撤去や行方不明者の捜索活動――。縦横無尽の活躍を見せた岡田容疑者は、壊滅的な被害を受けた町にとって「ヒーロー」だった。 活動実