6話を観た、誰もが思っただろう。 だれかもつれた糸をヒュッと引き奇妙でかみあわない人物たちをすべらかで自然な位置にたたせてはくれぬものだろうか 大島弓子『バナナブレッドのプディング』より 7話はそんな祈りが通じたかのような兆しが伺える、心震える回でありました。 <佐引の嘘> 佐引(高橋一生)の虚言癖。 俺はな、小室哲哉のブレーンだったんだ 俺があいつ(ウサイン・ボルト)に走り方、教えてやったんだよ 佐引という人間の幼稚さ、もの哀しさを演出していたはずのこれらの台詞が、練(高良健吾)と音(有村架純)の途切れた会話を結び直す。7話におけるとりわけ美しいシーンの1つだろう。このシーンにおいて佐引は、彼の知りえぬ所で救われていると言える。坂元裕二は人間の"みっともなさ"を決して切り捨てたりはしない。余談、ではないが、高橋一生の演技の素晴らしさよ。あの声色と表情。人は誰しも悪魔にも天使にもりうる、そ