ユッケは消えてしまうのか――。「焼肉酒家えびす」が富山県などで提供した牛肉のユッケによる集団食中毒事件を受け、生食用牛肉を提供する際の新基準が1日から施行された。 加熱による殺菌や、専用の調理台の設置などが義務付けられたことから、焼き肉店からは、「これでは提供できない」という声も上がっている。 「新基準を満たすには設備投資が必要なうえ、仕入れた肉のうち熱が通っている部分は削り落とさないといけない。そうすると、これまでの3倍以上の1皿4000円くらいになってしまうから、実際には店では出せない」。横浜市中区の焼き肉店「焼肉ハウス大滝」の大滝繁店長(43)は、1日から当面、ユッケの提供を中止することを決めた。9月30日に店を訪れた客の会社員大知(おおち)弘典さん(29)は、「食べられなくなるのは残念。信用ある店ならそんなに厳しい基準を当てはめなくてもいいのでは」と首をかしげた。 9月いっぱいは「