http://d.hatena.ne.jp/son_air/20080602/1212396245閃きのような匂いのような幽かな情動は言葉に落とそうとした途端愚にもつかない修辞でゴテゴテと下品に飾り立てられ、書きあがる頃にはすっかり別物になってしまう。俺はこんなことを考えていたんじゃない、こんなことを書こうとしていたわけじゃない、しかし脳細胞の発火は言葉という形を与えられたとたん雪崩を打って型に嵌り、近似する思考すらも規定し侵食してゆく。言葉にできることなんて所詮はくだらないことだ。霊感的情動の大部分は言葉の枠に収まらず、また大部分は俺の拙い筆では綴れないのに、俺はそれを言葉にしようと愚かしくも試みた挙句、それを取り逃がしてしまう。言葉にならないものは言葉にした瞬間に失われてしまうのだ。或る霊感に名前を与えてしまえば、再びその霊感が訪れたとき、俺はその霊感を俺が名づけた名で認識するが故に、