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ブックマーク / ojohmbonx.hatenablog.com (49)

  • 現代誤訳 鴨長明「方丈記」 - OjohmbonX

    エピソード0. マジでバブル。 河とかマジ流れまくりなんだけど。うたかた? みたいなマジでバブル崩壊パネェ。崩壊再生崩壊再生。 知り合いん家も知らねえうちに消えてるし。ダチとか死ぬし。マジバブル。家なくなるしどうせ人間も死ぬし? 無常。それってバブルっつーか朝顔みたいな? 朝顔の上の滴、シズク・オンザ・アサガオみたいな。朝顔が咲いてても滴落ちるじゃん? 滴が残っても夕方には朝顔ってしぼむじゃん? みたいな感じで。マジ無常。 つーか俺の人生、マジでスゲェもん見てきたし。聞けしマジで。 エピソード1. 焼け過ぎありえねー。 安元とか何元だしマジで3年。4月28日。風バリ吹きまくってんの夜。で、火事とかやば過ぎっしょマジで。焼けまくり。一晩でリアル焼け野原ひろし。 なんか火? の赤いやつがガチで飛んでるし。煙もすげぇんだけど。おっさんとかマジボーゼン受けるんですけどw 煙で倒れるやつもいるし。か

    現代誤訳 鴨長明「方丈記」 - OjohmbonX
  • 名人伝 - OjohmbonX

    「ファミチキをひとつ」 コンビニの店員が顔を上げるといっこく堂がレジの前に立っていた。ちょうど彼が、世界中の腹話術師を相手にバトルを挑み続けては連戦連勝、残すは日の五月みどりだけかと思われていた季節のことであった。彼は口も動かさず 「ファミチキを、ひとつ」 と言い放って、ちょうどイヤフォンで聞くように頭の中全体で響いた声に驚いて店員が止まっていると、 「私です。あなたの脳に直接語りかけているのです」 といっこく堂の声が脳に響いた。口の動きと無関係に声を自在に出すという、腹話術を究めたかに見えたいっこく堂であったが、その境地すら突き抜けて、ついに声を出すことすら止めてしまった。そして直接人々の脳内に語りかけるようになったのだ。なおも停止したままの店員に対して突然、 「フ ァ ミ チ キ」 と頭が割れるほどの大音声で、教会の鐘を打ち鳴らすようにファミチキの言葉がたたき込まれてようやく、店員は

    名人伝 - OjohmbonX
  • 春はあけぼの - OjohmbonX

    彼は、部下に舐められるなど断じて許し難く耐え難く思ってこれまでひたすら隙の無さを養っていたので、今日から配属される新人に対しても、容赦なく厳しく接しようと決意して、迎え入れた新卒の新入社員は、そもそも極度に緊張していた上、課員全員の前での挨拶の場でいきなり、声が小さいだの話に筋が通っていないだの、事細かに反論の余地も与えられずに課長に責め立てられ、彼自身も自分を低く見せること、道化になることに慣れていなかったことも加わって、ほとんど恐慌をきたし、ひたすら謝罪の言葉を繰り返すものの、何を謝っているんだ、自分のどこを悪いと思って謝っているのだと課長にさらに責め立てられ、混乱の最中で次々に出まかせの言い訳を、自身でも意味も分からず繰り返し、ますます課長は苛々を募らせて責め上げ、新人はあわあわと泣き顔で言い繕い、二人の声は静かなオフィスに次第次第に大きくなってゆき、ほとんど怒鳴り合いを呈する中でつ

    春はあけぼの - OjohmbonX
  • グッバイ、ゼア・ハムスター - OjohmbonX

    お掃除を終えて晩ご飯の準備の前に少し、ソファに座って朝から動かし続けた身体をいっときだけ休めると途端に、小腹がすいたのでちょっとしたスナック感覚でハムスターをべていたら、小学校から帰ってきた娘に見られてしまった。 「ママ、それ、わたしのハム太郎」 ロコちゃんは血まみれの、私の手の中の小さな血まみれを見て泣き出した。しゃくりあげながら右手を、目の辺りにあてて涙を拭って左手は、私を非難するように私や、私の手の中の小さな血まみれを指差すけれどしゃくりあげるせいで指す指は定まらない。まるで肉の味も弾力もなく、あの肉の悦びがなくて、小さな骨と毛ばかりの口の中は、不快だしロコちゃんの泣き声は耳障りでもっと、不快なのだった。なにより不快なのはハム太郎が、ハム太郎が、とハム太郎のことしか頭にないまま、泣いてばかりいるロコちゃんのことで自分の娘ながら、馬鹿なんじゃないかと小学生にもなって少し、頭が弱いので

    グッバイ、ゼア・ハムスター - OjohmbonX
  • ダメ。ゼッタイ。 - OjohmbonX

    「灯りをつけましょ、ぼんぼりに、って言うでしょ。私、ぼんぼりって何だかよく知らないのよ」 桃の節句に私が何気なくつぶやくと、夫は 「これがぼんぼりだよ」 と次の日に物を買ってきたのだった。 「ああ、すごいわ。これがぼんぼりなのね。さっそく灯りをつけましょ、ぼんぼりに」 部屋の蛍光灯を消してぼんぼりに灯りをつければ、しみったれたこのアパートも一瞬でディスコに早変わりだ。ひなまつりのテーマソングをガンガンに響かせて二人で踊り明かせば大家から苦情が届くのだった。 「これがぼんぼりだよ」 夫はその翌日もぼんぼりを買ってきた。 「知っているわよ」 「でも昨日のとは違うよ」 「そうね」 「これがぼんぼりだよ」 夫はその翌日も、そのまた翌日も、毎日一つずつぼんぼりを買ってきた。 「意外とかさばるのよ」 と私が夫をなじると翌日は 「えへへ。これも、ぼんぼりだよ」 と言ってミニチュアのぼんぼりを持ってくる

    ダメ。ゼッタイ。 - OjohmbonX
  • その後のトイレの神様 - OjohmbonX

    トイレには それはそれはキレイな女神様がいるんやで だから毎日キレイにしたら 女神様みたいにべっぴんさんになれるんやで 私にそう教えた祖母が死んだ。私を育ててくれた祖母。 しかし私が今日もトイレを掃除する理由はむしろ、私の趣味が立ちションだからだ。トイレが毎回べちゃべちゃになる。女だから、あらぬところへ飛んでゆく。 立ちションを楽しみ、掃除をし、その副次的な効果で美貌まで手に入るなら一石二鳥だと思っていたけれど、立ちションする女は嫌だと彼氏に去られて悩んでいる。やめよう、やめようと何度も思ったけれど、どうしてもやめられずにいた。 いつものように罪悪感にまみれながら腹に渾身の力を込めて立ちションしていると、便器の水面が揺らいで祖母の顔が急に浮かび上がった。祖母の顔は言った。 「わしゃ死んだら成仏するか、千の風になると思っとった。真実はちゃうで。見てみぃ。わし、トイレの神さんや」 「地縛霊みた

    その後のトイレの神様 - OjohmbonX
  • 千の風になって - OjohmbonX

    私はお墓になって あなたに降り注ぐ

    千の風になって - OjohmbonX
  • 見た、見ていない/見えていない、見ない - OjohmbonX

    小学生のときに、地域のおじいさんやおばあさんをエアガンで撃つという授業があった。それは体験学習のひとつで、ちゃんと頑丈なおじいさんやおばあさんが選ばれてるから大丈夫だったのに、僕たちは勘違いして、学校の外でも撃つのが流行った。その辺のおじいさんやおばあさんは弱いので、すぐ死ぬ。でも命のこととかはよく分からなかったから、気にせずに撃っていた。特に僕と、2こ下の僕の弟がすごく熱心で、おじいさんやおばあさんを追いかけ回してると、あいつら、戦争を経験してるから、すごい早さで電柱をゴキブリみたいに上っていって、カラスみたいに電線にとまるんだ。エアガンは威力が足りなくて電線までは届かない。だんだん小学生たちは諦めていって、おじいさんおばあさんたちは次々に安全な電線の上にいるようになって、老人会なんかも電線の上で開かれるようになった。 ところがどっこい、うちはマンションだったのでベランダから老人たちを撃

    見た、見ていない/見えていない、見ない - OjohmbonX
  • 赤い糸で、つながる小指 - OjohmbonX

    ガキのころから悪いことならたいがいやってきた。同級生のアゴをちぎったり、気に入らない教師の家族を皆殺しにしたり、市役所を爆破したりしてきた。そんな俺は中学を出て当たり前のようにヤクザになった。かえってヤクザになってからの方がおとなしくなった。むやみに人を殺さなくなった。せいぜい月イチくらいのペースだ。 けれども30になって俺は嫌気がさした。月イチペースだと62で定年としてまだあと384人も殺さなければならない。殺し過ぎじゃないか? 組のためと思ってきたがもう耐えられない。俺は組長に相談した。 「えぇーっ、お前、月イチペースで人殺してたの……? マジで……? ぜんぜん知らなかったんだけど」 「ええ。自主的に殺してたので」 「言っとくけどうち武闘派じゃないからね。『地球にやさしい21世紀型ヤクザ』がスローガンだよ。ちゃんと毎朝、朝礼で唱和してるじゃん。壁にもポップなフォントで貼ってあるじゃん。

    赤い糸で、つながる小指 - OjohmbonX
  • 家族って、いい。すごく。 - OjohmbonX

    あたしの実家で、あたしの家族の目の前で、あたしのダーリンは、あたしの鼻の穴に、いきなりネコジャラシを突っ込んで、奥の奥まで一気に突っ込んで、ちょっぴりこちょこちょした後、一気に引き抜いたら、ネコジャラシの先っぽに、つまりジャラシの部分に、引っ掛かったあたしの神経や脳みそが、一緒にずるっと鼻から垂れて、あたしは死んだ。 父は怒った。 「殺した、殺した! お前は娘を殺害した! 今!」 「いや、いや、お父さん、よく見てください。生きてますよ」 父はあたしを、よく見た。 「よく見たら死んでるじゃん!」 「もっとよく見て下さいよ。ほら、このへんとか」 父はあたしのこのへんを、もっとよく見て、それからダーリンの顔を見て、もう一度あたしを見て、それからダーリンの顔を見て勝ち誇った顔をして 「ほらァーッ! やっぱ死んでるじゃん」 「えへへ」 「えへへ、じゃないよ! 人の娘を殺しといて、そういう態度はよくな

    家族って、いい。すごく。 - OjohmbonX
  • われらとわれらの子孫のために - OjohmbonX

    技術力をあなどってはいけない。ついにマツコ・デラックスを1立法センチメートル以下に圧縮することに成功した。技術的に可能になった、というレベルにとどまらない。商業ベースで可能とした。大量、安価に市場に投入することが可能となったのだ。しかし一粒500円と若干高額であったために当初は誰も見向きしなかった。当時の市場の声を聞いてみよう。 「マツコ・デラックスを飲むなんて、きがくるっとる」 しかしイチローが飲み始めたという噂が流れ、日人たちは老若男女を問わずみな服用した。だって、イチローだよ…… だが技術を過信してはならない。 圧縮されたマツコが復元するという事故が多発したのだ。腹の中でマツコが元の体積を取り戻したらどうなる? ん? 爆発するだろ! 日人たちは次々と爆発していった。 朝、卓を囲む平均的な一家。 「たかゆき、テレビばっかり見てないで。早くご飯べないと遅刻するよ」 「わかっ

    われらとわれらの子孫のために - OjohmbonX
  • スーパーモンキーズ - OjohmbonX

    ゴキブリみたいな速さでカサカサ動き回る赤ちゃんを、丸めた雑誌でいつものように叩き殺していると携帯電話が鳴った。 「社長、ついに我が社の生産台数がトヨタを抜きました!」 私は興奮する幹部からの電話を静かに切った。ギミギミシェイク10年、ついに我が社は世界一になった。(ギミギミシェイクは平成の次の年号です。) ここで簡単に社史をさらっておこう。 ギミシェ元年。先代の父が死んだ。ペットボトルロケットが体中に突き刺さって死ぬという不運な、全く偶然の事故だった。急遽会社を継いだ私は旧態依然の、職人的な生産方法を見直し、オートメーションによりコケシの大量生産をスタートさせた。年間生産数は500万。(この時点でトヨタを抜いており、以降上回り続けている。どうしてさっき幹部がわざわざ電話してきたのかよくわからない。) ギミシェ3年。若いサラリーマンが発射間際の電車へ駆け込んだ。頭だけが車内へ入ったところ

    スーパーモンキーズ - OjohmbonX
  • 二人並んですまし顔 - OjohmbonX

    汚ひなさまは容姿は悪く学もなく、他者へ与えるということを一向に知らぬ女であった。 「馬鹿じゃないの、金も無いゲテメン(注:イケメンの対義語)のあんたなんか……」 身の丈によくあった――気性まで勘案すればもったいない――汚だいりさまからの交際の申し出を悪し様に断り、汚ひなさまはひな壇をよじ登り始めた。 「あたしは、高学歴・高身長・高収入のイケメンおだいりさまと一緒になるに決まってる」 己が他人へ何を為すかをいささかも問うことなくひたすら、他人が己に何を為し得るかを問うて恥じぬ女。しかも今時「三高」などと、バブルを引きずっているのである。しかし腕力はすさまじかった。両腕を伸ばしても届かぬ一段目の端に飛びつき指先をかけたかと思うと、そのまま懸垂の要領で腕、肩に力を漲らせてよじ登るのである。自重を上回る十二単の重ささえこの驚異的な汚ひなさまの腕力を阻むものではない。(ところで汚ひなさまはルーズソッ

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  • ゴンスケという名の女 - OjohmbonX

    両親の純粋な悪意によってゴンスケと名付けられた女がいた。三姉妹は上から加奈、紗代、ゴンスケという。 長じて女はある夜、バーで泣き濡れていた。酒に呑まれ自暴自棄になった女は「もうどうにでもしてー」と叫んだ。たまたま願いを聞き及んだ見知らぬ科学者の純粋な善意により、女は芋掘りロボットに改造された。「え? どうにでもしてって言ったじゃん……」 純粋さとは、悪も善もなく、かくも残酷なるものなりや。 しかるに女はホテル「つづれ屋」で楽しく暮らしているという。一寸先を闇に覆うも光で照らすも勝手次第のこと。

    ゴンスケという名の女 - OjohmbonX
  • ロシアの女はおそろしや - OjohmbonX

    の上半身と下半身がとつぜん分かれて、中からワンサイズ小さいが出てきた。さらに中からも小さいが出てきた。はマトリョーシカみたいな構造だった。腰を抜かす私を見下ろして最小のは嗤った。 「私はロシア人とのハーフなんだから、当たり前じゃない」 「そうなの?」 「そうよ。みんな、そうよ」 「知らなかった」 「純粋のロシア人の女ならその上、近づくとテルミンの音がするわよ。というより、テルミンの音しかしないわよ」 夜、ベッドの中では全員(L, M, S, SS)みだらにテュイーン、ミョォーンと喘いでいた。ハーフでもやればできるじゃん。

    ロシアの女はおそろしや - OjohmbonX
  • 続・ミカコのコンカツ! - OjohmbonX

    「デブデザイナー……と」 「違います、ウェブ、デザイナーです。フリーで活躍し」 「はいはい失礼しました。無職、と。これで登録は完了しました。またご連絡差し上げますので今日はお帰り下さい」 そう、あたしが噂のミカコ。128kgで一流のアラフォー。登録を済ませて、あとは家で待つだけだ。 帰宅して仕事の仕上げにかかる。一流企業からの依頼だ。パソコンのFrontPage Expressを起動し、あたしのホームページ作品を読み込む。Tableを駆使した洗練されたデザインがあらわれる。ほれぼれする美しさだ。マウスポインタやスクロールバーのデザインも凝ってるし、ポインタを載せると画像が変わったり、GIFアニメ、フレームなんかの最先端の技術をふんだんに利用している。 あたしのウェブデザイン力は業界でピカ一だ。だからこの前Wikipediaに「ミカコ」って項目を自主的に作った。すぐに消された。世界が嫉妬する

    続・ミカコのコンカツ! - OjohmbonX
  • 怪談・耳だらけのホウイチ - げげぶちこ

    目が覚めるとホウイチは、耳だらけになっていた。 階下へ降り、居間のドアーの前に立ったホウイチを見て母親は驚いた。 「ちょっとホウイチ、あんたどうしたのよ」 「朝起きたらこうなってて……」 「いっつも遅くまでファミコンやってるからよ!」 「ちがうよ、Play Station 3だよ」(ホウイチは英語塾に通っていたから、"Play Station 3"の発音が上手だった。) 「ああ、うるさいね。おんなじよ」 「Play Station 3...」 「うるさい!」 「PLAAAAAY STYYYTIOOoooooNnn...Th, Th......THREEEEEAH!!!」 「黙れ!! ああ、もう、ほんとむかつくわ。そんな性格だから耳だらけになるのよ」 「ちがうよ!」 「何が違うのよ。じゃあ何で耳だらけになったのよ」 「それは、わかんないけど……」 「ほらみなさい。やっぱりあんたが悪いのよ。ま

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  • おもひで(と指)ぽろぽろ - OjohmbonX

    いまでも思い出すたび胸が熱くなる。平成8年9月3日……すべてのヤクザが輝いていたあの日。

    おもひで(と指)ぽろぽろ - OjohmbonX
  • 女神 - げげぶちこ

    平日の昼間、息子のWii Fitをこっそりやるのがあたしの楽しみ。調子に乗って夕方までやってたら高校生の娘が帰ってきた。ちょうどヨガのトレーニングで、座禅を組んだまま空中に浮遊しているとこだった。 「お母さんすごい! もうWii Fit関係なくすごい!」 「画面の指示に従ってやってるだけよ。孝之にはナイショにしててね」 ケンソンしてみたけど、あたしほんとはうれしい。昔から空気イスとか上手かったし。得意になって空中で高速回転してたら娘が泣き出した。 「あわわごめんね。お母さん、すぐに地上に降り立つから泣かないで(高速回転はやめないけど)」 「違うの。今日ね、同じクラスのイケメンをデートに誘ったの。そうしたら『わりぃ、俺、オナ禁するのに忙しいから』って断られたの。だから、お母さんはそのまま浮いてていいよ。あたしはひたすら涙を流しているから」 「ひどいわ! お母さん怒ったぞー。ヨガ・テレポート!

    女神 - げげぶちこ
  • ミカコのコンカツ! - げげぶちこ

    あたしだって若いOLだもん、モテたいよ。顔だってそんなに悪くない。鼻筋が通ってて、顔はほっそりしてる。人はそれを馬ヅラと呼ぶ。でもみんなが思ってるほど馬ヅラじゃないよ。だって、鏡を見つめて「これは人だ人だ人だ人だ人だ人だ人だ人だ……」って言い続けると、そんなに馬っぽく見えなくなるから。 でも昔、中学校の授業で蘇我馬子が出てきたときは正直ヤバかった。あたしホントは「バーバラ」って呼ばれたかったから積極的に「みんなおはよう! バーバラが来たよ!」って言ってたのに蘇我氏って呼ばれた。でも全校集会で校長が「馬子と呼ばれて悲しんでいるお友達がいます。2年4組の斉藤美佳子さんです」と言ってくれたから助かった。ギリギリセーフだった。 そんなあたしにもモテ期があった。あれは大学2年の夏。混雑した堂で一人、メザシをべていたあたしの隣に「ここ、いい?」と座ったTOKIO似のイケメン。あたしは「ハーイ、シエ

    ミカコのコンカツ! - げげぶちこ