東浩紀の転向の理由について、そろそろ僕たちは考えなければならないだろう。なぜならば東浩紀に影響を受けた世代というのはたぶん2種類あって、僕たちはそのうち、転向前と後の東を同時に支持できる世代に属するからだ*1。 東の転向を一言でいえば、「リベラリスト」から「リバタリアン」へと立場を変更したことだ。そしてその時期が波状言論後だというのは多くの東浩紀読者の同意するところだと思う。たとえばhttp://d.hatena.ne.jp/sakstyle/20070706/1183733424。その上で、何故最近の東は、自分のことをやけに「リバタリアン」と規定し、北田や萱野との差異を強調しようとするのだろうか。これは、『動物化する世界の中で』や波状言論をやっていた頃あるいは「ゼロ年代の批評の地平」とは明らかに違う。あの頃は、自分の立場がどこにあるのかをはっきり決められない状態をずっと彷徨っていた。しか