市民が刑事裁判の審理に加わる裁判員裁判で、東京都足立区で5月に起きた殺人事件の初公判が8月上旬に開かれる見通しであることが公判関係者の話でわかった。裁判員裁判の対象となる被告は80人余が起訴されているが、裁判前の準備状況に照らすと、この事件が全国第1号の裁判員裁判になる公算が大きい。 最高検のまとめでは、5月21日に裁判員制度がスタートして以来、7日までに全国の60地裁・支部に起訴された対象事件の被告数は83人。大阪地裁(堺支部含む)が15人と最多で、罪名別では強盗致傷の23人、殺人の13人と続く。 裁判員裁判を開く前に裁判所と検察官、弁護人の3者が公判の争点などを話し合う「公判前整理手続き」について朝日新聞が集計したところ、少なくとも東京、さいたま、岐阜、大阪(堺支部含む)、仙台、秋田の6地裁の対象事件計9件で、すでに開催の日程が決まっている。 このうち、東京地裁では足立区の事件の