映画「夫婦善哉」や舞台「屋根の上のヴァイオリン弾き」、テレビドラマ「七人の孫」など日本の大衆芸能に大きな足跡を残し、演劇界初の文化勲章受章者の森繁久彌(もりしげ・ひさや)さんが10日午前8時16分、老衰のため東京都内の病院で死去した。96歳だった。大阪府出身。自宅は東京都世田谷区船橋3の4の15。葬儀・告別式は近親者で行う。喪主は次男、建(たつる)氏。 大阪府枚方市生まれ。昭和11年、早大商学部を中退、東京宝塚劇場(現・東宝)に入り、3年後、NHKのアナウンサー試験に合格。旧満州(現中国東北部)の放送局で勤務した。 21年に帰国、NHKラジオ「愉快な仲間」などに出演、コメディアンとして頭角を現し映画界に進出した。出世作は「三等重役」(27年)。以来、“サラリーマン”“社長”“駅前”の各シリーズの喜劇や人間味あふれる代表作「夫婦善哉」(30年)など出演本数は約310本に及ぶ。 舞台でも約15