返品率改善や売り上げ増に向けて、取次店や出版社が主導する新しい書籍流通の仕組みが動き始めている。「成果報奨方式」や「買い切り選択制度」と呼ばれるもので、書店側にメリットもある一方、適正発注や販売力が求められるため、導入には模索も続く。 大手取次店の日本出版販売(日販、東京都千代田区)は今月、全国約500の書店で「成果報奨方式」を本格導入した。返品率を改善すれば書店に報奨金を払う。逆に目標に大きく届かなかった場合は罰金が発生する。「返品率を下げることで流通コストを少しでも減らしたい。書店の競争力強化にもつながる」(マーケティング本部)と狙いを説明する。 横浜市港北区に3店を展開する天一書房は、日販が2009年度に実施した試行に参加。08年度に40%を超えていた返品率は38%に改善したという。天一書房の担当者は「商品を取捨選択することで返品率減少になった」と話す。 TSUTAYAを中心と