「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」の“尾道三部作”で知られ、晩年まで“えん戦”を訴え続けてきた映画監督の大林宣彦さん(82)が、4月10日、肺がんのため東京都内の自宅で亡くなった。 大林監督ががんと診断され、余命の宣言を受けたのは2016年8月。 転移を繰り返すがんと闘いながら、みずからの命を削るようにして「戦争と命」をテーマにした映画を完成させた。 最新作「海辺の映画館―キネマの玉手箱」は、くしくもこの日に公開予定だったが、新型コロナウイルスの影響で公開が延期に。 2年10か月、インタビューだけでも20時間を超える長期密着取材を許されたカメラマンの私は、監督から若者への“未来のメッセージ”を託された。監督が最後に伝え残したこととは。(映像センターカメラマン 川崎敬也) 4月11日の午前零時すぎ、携帯電話が鳴った。 その瞬間、ついにそのときが来てしまったことを悟った。 着信は大林