野崎昭弘『詭弁論理学 改版』 佐藤彰一『剣と清貧のヨーロッパ 中世の騎士修道会と托鉢修道会』 渡辺正峰『脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦』 現在、新書にもさまざまなものが出ているが、「その道の専門家が書いた、一般向けだが中身のしっかりした本」というスタンスを崩さない新書には、普段からたいへんお世話になっている。 中公新書の中でことあるごとに読み返しているのは、野崎昭弘氏の『詭弁論理学』である。馬鹿げた主張がまかり通る世の中にうんざりしている人は多いと思うが、これを読むと、「きちんと論理的に議論する」ことがいかに大変かがよく分かる。著者の野崎氏は偉大な数学者であり論理学の専門家だが、その著者ですらしばしば他人の強弁・詭弁に翻弄されてしまうのだ。しかしその描写はあくまでユーモラスかつチャーミングであり、また豊かな学識に裏打ちされた著者のまっすぐな精神があちこちに垣間見えて、「やっぱり論理