パレスチナのガザ地区でのイスラエルとハマースの衝突から3週間が経た現在、国際社会は未だに一致した行動を取れずにいる。 国連安全保障理事会では衝突の発生以来4度の会合が開かれ、ガザでの停戦を求める決議案が5度採決にかけられたものの、いずれも採択に至らなかった(下表参照)。 出所:筆者作成決議案の採択にもっとも近づいたのは10月18日に提出されたブラジル案であり、採択に必要な9カ国の賛成を上回る12カ国の賛成が集まったものの、常任理事国である米国が反対票を投じることで拒否権を行使し、成立は妨げられた。前記事でも指摘した通り、米国はイスラエルの自衛権への言及がないことを理由に反対票を投じたと説明しているが、過度なイスラエル擁護であるとの批判を浴びている。 こうした批判を意識してか、10月25日に米国は自らが決議案を起案して採決にかけている。これは10カ国の賛成を集めたものの、常任理事国である中国