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  • 中国への配慮で広告撤退…創刊者逮捕と経営苦で「民主派新聞」は生き残れるか(石井 大智) @gendai_biz

    黎智英氏逮捕と蘋果日報の行方 8月10日に香港国家安全維持法(国安法)違反で蘋果日報(アップルデイリー・りんご日報)の創刊者である黎智英(ジミー・ライ)氏が逮捕され、「メディアへの弾圧」として世界的に大きなニュースとなった。 その結果、蘋果日報は香港の民主派は多くの「応援」を受けたが、それは一時的なものであり、長期的に見ると紙の新聞としては厳しい経営環境に置かれている。 そのような中、蘋果日報がどのような生存戦略を取ってきたのか、またその取り組みが香港での抗議活動と民主派の動きとどのように関わりがあったのかを記事では述べたい。 紙の新聞としては「経営苦」 蘋果日報社には200人の捜査員が香港警察から派遣され、蘋果日報の親会社壱伝媒(ネクスト・デジタル)のCEOに当たる張劍虹氏が詐欺罪、COOとCFOに当たる周達権(ロイストン・チョウ)氏、さらに黃偉強行政総監が逮捕された。 今回の蘋果日

    中国への配慮で広告撤退…創刊者逮捕と経営苦で「民主派新聞」は生き残れるか(石井 大智) @gendai_biz
  • 新自由主義による悲惨な現実を解決できるのは、左派ポピュリズムです(松尾 匡)

    アメリカ大統領選やイギリスのEU離脱など、昨今の国際情勢を語るキーワードとなっている「ポピュリズム」。立命館大学教授の松尾匡氏が、いま世界中を席巻する「ポピュリズム」運動の実情、そしてその背景に迫りつつ、右派ポピュリズムにはない左派ポピュリズムの可能性について考えます。 「コントロールを取り戻せ!」 前回述べたような「生きているだけで価値がある」生身の個人からの異議申し立て、新自由主義だろうが「リベラル」だろうが共通する分別ぶったエリートからの押し付けに対する反逆は、コロナ前、世界中を覆いつつありました。 昨年2019年は、前年から引き続くフランスの「黄色いベスト」が全土で燃え上がる中で明け、カタルニアでもチリでも香港でも、世界の至るところで民衆が街頭に立ち上がりました。 いったい彼らは何に怒っているのか。 私自身はイギリスのEU離脱は労働者階級にとって決して最善の選択ではないと思っていま

    新自由主義による悲惨な現実を解決できるのは、左派ポピュリズムです(松尾 匡)
  • コロナに覆われた2020年、根深すぎる「政治と文化」の関係を考える(柴 那典) @gendai_biz

    COVID-19の感染拡大と共に、さまざまなイシューで政治音楽の関係が大きな焦点を集めた2020年。そんな中、東京発の3人組ヒップホップユニットDos Monosは、極めて知性的、批評的、かつ撹乱的なスタイルで思考を深め表現をしているグループだ。 5月には台湾IT担当大臣オードリー・タンとのコラボレーション楽曲「Civil Rap Song ft. Audrey Tang」を発表。6月に発表された「Fable Now」や、先日リリースされたアルバム「Dos Siki」も大きな評判を集めている。 Dos Monosの荘子it・TaiTan・没、そしてコンテンツレーベル黒鳥社の若林恵とのインタビュー対話。後編では日政治文化の関係について、アートの持ちうる可能性について語り合った。 2020年の政治文化の関係 ――2020年は、COVID-19の感染が広がったことで、政治文化政治

    コロナに覆われた2020年、根深すぎる「政治と文化」の関係を考える(柴 那典) @gendai_biz
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    facebooook 2020/08/09
    “SNSの設計に従って動かされるように、半ば自動的に空虚な発言をせざるを得ないという、すごいアホらしい話があると思います。この世界が変わっているように見える状況は、そこから生まれてきた誤解も大きいと思う”
  • 「生産性」と「役に立つ生」に憑かれた、私たちのグロテスクな社会について(木澤 佐登志) @gendai_biz

    当たり前だが、人間には「使命」などない。そのような言葉に惑わされてはならない。その言葉は人間を特定の方向に駆り立て、コントロールしようとする。使命、それはあなたを束縛する負債である。 同様に、人間には「生産性」もない。あるのは「生」だけだ。 歴史上のどこで「生きるに値する生」と「生きるに値しない生」の分割が始まったのだろうか。一つの生に分割線が、たしかにそのとき引かれたのだ。 欺瞞的な未来 生産性に抗するラディカルな生。そのようなものがもし存在するとすれば…? いかなる生産性と再生産の制度にも抗う、それだけで完結した単一の生。 クィア評論家のリー・エーデルマンは、系譜原理を再生産するためのシステムに抗ってこう言う。「未来はここで終わる」。 少なくとも、軽度の知的障害者が必死に働いて得た収入が、たかだが十数万円という現状、そしてそれを「努力の賜物」とか言って美化する国営放送局。これが、彼らの

    「生産性」と「役に立つ生」に憑かれた、私たちのグロテスクな社会について(木澤 佐登志) @gendai_biz
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    facebooook 2020/08/01
    “当たり前だが、人間には「使命」などない。そのような言葉に惑わされてはならない。その言葉は人間を特定の方向に駆り立て、コントロールしようとする。”
  • 「生産性」と「役に立つ生」に憑かれた、私たちのグロテスクな社会について(木澤 佐登志) @gendai_biz

    すると場面が変わり、会議室のような場所で支援団体の職員たちが話し合っている様子が映し出される。支援団体の理事を名乗る、柄の入ったシャツにサングラス、そして角刈りというやや個性的な風貌のその男性は、次のようにカメラに向かって語った。 「とにかく彼らがあきらめる心だけは持たせたくない。あきらめたら、そこで終わってしまう」また、次のようにも語る。「生まれてきた以上は世の中に必要とされている人間だ」「今、命がある限り、必ず君には使命がある」「使命を見出すためにも、自分の人生を力強く歩んでいかないといけない」。 再び画面が切り替わり、Tさんの近況が映し出される。Tさんは、これまで外に出て7つの仕事にチャレンジした。工場でゴミを分別する仕事は、1年半以上続いている、とのこと。彼の月収は十数万円らしい。VTRはTさんがインタビュアーの問いに対して「仕事は楽しい」と笑顔を見せるショットで終わる。アナウンサ

    「生産性」と「役に立つ生」に憑かれた、私たちのグロテスクな社会について(木澤 佐登志) @gendai_biz
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    facebooook 2020/08/01
    “この支援団体のグループホームの内実もよくわからない。共同生活を送っているというが、そもそも、彼ら障害者が受け取っているはずの諸々の障害年金や生活保護などの福祉は、どう使われているのだろう。”
  • 「生産性」と「役に立つ生」に憑かれた、私たちのグロテスクな社会について(木澤 佐登志) @gendai_biz

    2016年7月26日、神奈川県相模原市の障害者施設で殺傷事件が起きた。「生産性のない人間は生きる価値がない」。植松聖死刑囚は犯行直後こう語っていた。奇しくも事件から4年を迎える直前には、ALSの女性が殺害された事件が話題となり、「役に立つ生」という発想に取り憑かれた私たちの社会をめぐる議論が盛んになっている。 『群像』2019年10月号に掲載された、文筆家の木澤佐登志氏による随筆は、こうした問題の一面を切り取っている。ここに再掲する。 ある番組が映したこと 卓で両親とテレビを見ていた。そのときテレビには知的障害者の男性が映し出されていた。その某国営放送の番組は、相模原障害者施設殺傷事件から明日で3年という節目に作られた特集らしかった。 冒頭、アナウンサーが「全国の18歳以上の男女に電話で世論調査を行ったところ、障害者への差別や偏見は「社会にある」と答えた人が80%近くにのぼりました」と言

    「生産性」と「役に立つ生」に憑かれた、私たちのグロテスクな社会について(木澤 佐登志) @gendai_biz
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    facebooook 2020/08/01
    “植松聖と障害者支援団体理事が、ほとんど同じ価値に根ざした言葉を発している” “明らかに適性のない職種に7つも従事し、健常者よりもはるかに苦しいであろう経験。 「努力の賜物」と言って美談に仕立て上げる”
  • 安倍首相も小池都知事も「空虚だけど支持される」現実をどう理解するか(石戸 諭,ブレイディ みかこ) @gendai_biz

    今、日とイギリスで何が起きているのか? キーワードは「空虚」? SNS時代に私たちが忘れていることとは? 『ルポ 百田尚樹現象〜愛国ポピュリズムの現在地』著者でノンフィクションライターの石戸諭さんと、ベストセラー『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の著者で、新刊『ワイルドサイドをほっつき歩け』も大きな話題となっているブレイディみかこさんが縦横に語り尽くす。 イギリスと日のおじさんたち 石戸 ブレイディさんの新刊『ワイルドサイドをほっつき歩け』(筑摩書房)をとても面白く読みました。ベストセラーになった『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)は息子を通して見えてくるイギリスの格差や差別を描くというもの。それが、今回の主役は一転して周囲にいるおじさんたちです。 僕が非常に興味深かったのは、こので描かれたイギリスのおじさんたちと同様に、日のおじさんたちも一番のマイ

    安倍首相も小池都知事も「空虚だけど支持される」現実をどう理解するか(石戸 諭,ブレイディ みかこ) @gendai_biz
  • 将棋の「と」は、本当は何と読むか知ってますか?(週刊現代) @gendai_biz

    音読みにしてみると 将棋は日人の誰もが、子供のころから親しんできたボードゲームのひとつだ。だが昔から「駒に書いてある文字が読めない」と疑問に思いながら遊んでいた人も多いのではないだろうか。 「金将」や「飛車」は、発売されているほとんどの駒で一目見ればわかる。 「歩兵」は「歩」の字が変化しているものもあるが、基的には読める。では「歩兵」が成ると現れる「と」は?「と金」と呼ばれることもあり、どう頑張ってもひらがなの「と」にしか見えない。 だが、この「と」のように見えるもの、実はれっきとした漢字で、草書体で書かれた「今」の崩し字だというから驚きだ。 なぜ「歩兵」の裏に「今」と書いてあるのかというと「今」はむかし「金」の代わりに使われていた漢字であることに由来する。「今」は音読みすれば「こん」、「金」とは同音異字に当たる。 中世の文献を読むと、「今」はよく「金」に代替される漢字として使われてい

    将棋の「と」は、本当は何と読むか知ってますか?(週刊現代) @gendai_biz
  • 誰もが知っているダーウィンの名言は、進化論の誤解から生じた!(千葉 聡)

    「この世に生き残る生物は、激しい変化にいち早く対応できたもの」 多くの人がダーウィンが残した名言として信じているこの言説は、実は、ダーウィンの言葉ではなく、彼が唱えた「進化論」に照らしてみても誤ったものだった。 ビジネスや政治の世界で好んで使われるフレーズのルーツをたどってみると、意外な事実がわかってきた。 『進化のからくり 現代のダーウィンたちの物語』の著者、東北大学大学院生命科学研究科千葉聡教授が、誤解と偏見を重ねながら面妖に「進化してきた」アナロジーに潜む謎と病理を解き明かす。 あの名言は、ダーウィンの言葉ではなかった “進化論を唱えたダーウィンは、「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」という考えを示したと言われています” ──これは19年前、とある首相が行った国会演説の一節である。いわゆる構

    誰もが知っているダーウィンの名言は、進化論の誤解から生じた!(千葉 聡)
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    facebooook 2020/06/20
    “どんなに強い選択がかかっても、多様な遺伝的変異がなければ、環境への新たな適応は生じない。それどころか強すぎる選択は、変異をどんどん削ぎ落とすので、多様性が失われ、進化は止まる。”
  • 激レア薬草も麻薬原料も1600種栽培!「薬用植物園」に潜入したら(リケラボ)

    約7000種類もの植物が生育する国、日。豊かな植物に恵まれていることもあり、薬草が重宝されてきました。それは現在でも変わることなく、漢方薬として一般生活に普及しています。 そんな薬用植物を世界中から集めて研究しているのが、東京都薬用植物園です。今回、ここで働く東京都の職員であり薬剤師でもある主任研究員 中村耕さんにお話をうかがいました。 東京都内でただ1ヵ所の公立の薬用植物園 ──まずは東京都薬用植物園について教えてください。 国内だけでなく世界中の貴重な薬草や草木など約1600種を栽培している都内で唯一の公立の薬用植物園です。薬用植物の調査や収集、試験検査はもちろんのこと、植物園として一般の方にも開放されていて無料でご覧いただくことができます。 ──そもそも薬草は、病気とか怪我に効果がある植物という認識で大丈夫ですか? 薬用植物ですから、その名の通り薬効を期待して用いられる植物を総称し

    激レア薬草も麻薬原料も1600種栽培!「薬用植物園」に潜入したら(リケラボ)
  • コロナ後、また「いつもの日常」に戻るのが辛くてたまらないあなたへ(御田寺 圭) @gendai_biz

    ウイルスが救った人もいる 現在、全世界で猛威をふるい、多くの人命を奪い、社会を恐怖に陥れている新型コロナウイルスが――しかしある側面では、誰かを救っていたのかもしれない。 〈厚労省などによりますと、先月の全国の自殺者数は前の年の同じ月に比べ359人少ない1455人で、19.8%減ったことがわかりました。少なくとも最近5年間では最も大きな減少幅だということです。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、家族ら同居する人が外出せず家にいることや、職場や学校に行く機会が減り、悩むことが少なかったことなどが要因とみられています〉(TBS NEWS、5月13日「4月の自殺者数、前年比約20%減」より) 驚くべきニュースだ。たしかに、この状況下で自殺率が改善するとすれば、職場や学校における社会的関係・人間関係的要因の改善によるところが大きいと推測しても差し支えないだろう(一般に自殺動機の上位を占めるのは健

    コロナ後、また「いつもの日常」に戻るのが辛くてたまらないあなたへ(御田寺 圭) @gendai_biz
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    facebooook 2020/05/24
    “嫌いな職場、嫌いな学校に行かず、苦手な人、嫌いな人に会わずに済んでいることで、心から胸をなでおろしている人もいる。” “人間関係や社会関係、あるいはコミュニケーションの負荷”
  • 台湾のコロナ対策を賞賛する、日本の人たちに知ってほしいこと(李 琴峰) @gendai_biz

    「望む政治を手に入れるためには声を上げ、行動しなければならない」。コロナ対策が賞賛されている台湾だが、その高度な施政は、市民が「行動」し続けてきた結果なのかもしれない。著書『ポラリスが降り注ぐ夜』で、ひまわり学生運動とLGBTの権利拡大の関係などを描いた作家の李琴峰さんが、台湾の市民運動の歴史を振り返る。 感染者数・死者数とも世界最低レベル コロナウイルスが蔓延る中、台湾政府の対応が世界中から注目を集めている。 台湾は昨年末からいち早く中国の感染拡大に関する情報を手に入れ、世界保健機関(WHO)に報告した(「既読スルー」されたが)上で、国内でも様々な対策を矢継ぎ早に打ち出した。 水際対策の強化、対策部の成立、感染地域から/への渡航制限、マスクの増産、マスク輸出禁止措置や実名購買制度の実施、罰則つきの対策法の立法、ITの活用など、ウイルス封じ込めの根幹となる政策は概ね1月中に実施され、その

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  • 「無人の街」ニューヨークでコロナ感染者が増え続けている理由(笹野 大輔) @gendai_biz

    アメリカは保険料が高いから病院に行かない」? ちなみに、日ではアメリカは保険料が高く、病院に行けないと考えている人が多いが、ニューヨーク市では新型コロナが感染拡大してからは、登録すると1年間無料の保険(GetCoveredNYC)が適用される。そもそも、セーフティーネットであるメディケイドという低所得者向けの無料保険は昔からある。どちらも治療費も無料。今回は失業者が多発して失業保険の給付金で生活している人が多数いるなかで、新たな無料の保険ができたわけだ。 保険については中所得者が保険料の高さに困っているだけで、日で伝わっているような「アメリカは保険料が高いから病院に行かない」は正しくはない。基的には「あなたは風邪です」と診断されることになんの意味があるのだ?という世界なのだ。 ニューヨークは新型コロナ感染拡大が落ち着いてきたので、第一波の仕上げに入ろうとしている。仕上げの鍵は入院者

    「無人の街」ニューヨークでコロナ感染者が増え続けている理由(笹野 大輔) @gendai_biz
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    facebooook 2020/05/08
    “新型コロナが感染拡大してからは、登録すると1年間無料の保険(GetCoveredNYC)が適用される。そもそも、セーフティーネットであるメディケイドという低所得者向けの無料保険は昔からある。どちらも治療費も無料。”
  • 「無人の街」ニューヨークでコロナ感染者が増え続けている理由(笹野 大輔) @gendai_biz

    毎日の「感染者数」 日友人から「なぜニューヨークは街に人が歩いていないのに新型コロナ感染者が増えているのか?」という質問をもらった。質を突く良い質問だと思う。そして、ここに海外と日との考え方の溝がある。 いま、日のマスコミ(大手新聞、大手テレビ局)からの情報だけだと、どうしても毎日の「感染者数」が気になるだろう。だが、例えば「今日の東京の感染者が500名」でも筆者は驚かない。なぜなら、検査数(母数)が大事だからだ。仮に検査数が600件で感染者が500名であればたいへんなことだが、ニューヨークのように1日の検査数(5月2日の場合)が2万6894件のうちの500名であれば陽性率は1%台なので、率はかなり低いことになる。 そして、そもそも日と違う点は、ニューヨークでPCR検査を受けるハードルが高くないことだ。ニューヨーク州では今後1000人中に30人のPCR検査することを目標にしてい

    「無人の街」ニューヨークでコロナ感染者が増え続けている理由(笹野 大輔) @gendai_biz
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    facebooook 2020/05/08
    ファウチ所長「秋と冬に新型コロナが悪化するだろう」“どこで線引きして経済活動再開の判断をするのかは政治家の役割であり責任。専門家に丸投げして、専門家も責任を負わない日本政府のやり方はやめたほうがいい”
  • 日本のコロナ対策、結局「何に成功し、何に成功していないのか」(高橋 政代) @gendai_biz

    では、Cの段階が訪れないように、基的には静かに家にいて、外出しなければならないなら手を洗うという戦略を続けてきた。熱発しても呼吸が苦しくなければ、少し自宅で様子を見ることで、軽症者がベッドを占めて重症者が入れなくなることを防いできた(今は軽症者の受け入れ施設ができてきたので、これも解消されるであろう)。 一方で、繰り返しになるが、PCR検査あるいはIgMも含めた抗体検査の体制は一刻も早く整える必要がある。そして、患者が病院を求めてさまようような状況を解消するために診療所も含めた患者の振り分けなど窓口と医療体制を整えることもまだできていない。 他方で、PCR検査さえ増えればコロナの恐怖から逃れられるわけではない。これほど不顕性感染(症状がない感染者)がいるウイルスから完全に逃れられられるものではなく、収束するのはコロナがなくなる時ではなく、医学的にも社会的にも新型インフルエンザと同様に

    日本のコロナ対策、結局「何に成功し、何に成功していないのか」(高橋 政代) @gendai_biz
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    facebooook 2020/05/06
    数年単位の長期戦“「絶対に感染してはならない恐怖の病気」とみなしてはならない。そういう気持ちが社会の混乱と悲劇を生んでいる。陽性になった人を差別したり、感染を極度に恐れて生活を壊してはならない。”
  • 日本のコロナ対策、結局「何に成功し、何に成功していないのか」(高橋 政代) @gendai_biz

    医療と社会、双方の観点から 世界中を席巻しあらゆる枠組みを変えてしまう勢いの新型コロナウイルス。このような誰も経験していない未曾有の事態に対しては正解があるわけではない。多くの人の力で、施策をいかに正解に近づけていくかが重要である。 その際には戦略、目標を人々が共有して動くことが最も効率の良い対応である。医学的な観点と共に社会経済的な観点も加味した対策が必要であるが、その両義性・両面性ゆえに、多くの人が混乱しているように見える。あるいは、同じ施策を目にしていても、少し視野が偏ると両極端の意見に分かれてしまい、そのために議論がすれ違っているケースを目の当たりにすることもある。 私は以前、あるインタビューで「新型コロナウイルスは怖くない」という趣旨の話をしたことがあるが、ある医療従事者はこんなに恐ろしい病気を怖くないというのは情報不足ですと言う。インフルエンザと異なり直接ウイルスが肺炎を起こす

    日本のコロナ対策、結局「何に成功し、何に成功していないのか」(高橋 政代) @gendai_biz
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    facebooook 2020/05/05
    “時間稼ぎもしていたのに、その間に軽症者を病院以外の施設で受け入れる準備や、医師が必要と思うPCR検査ができる体制を十分に作っていなかった。時間があったにもかかわらず、日本は4月初旬の段階で慌てていた。”
  • 富野由悠季が熱弁する『Fukushima 50』の「歴史的価値」(富野 由悠季) @gendai_biz

    新型コロナウイルス感染拡大により緊急事態宣言を受け、多くの映画館は現在上映自粛をしているが、エンターテインメントはむしろ外出自粛の中で人々に必要とされている。そんな中、公開されたばかりの新作でありながら期間限定にて有料のストリーミン上映を決めた作品が『Fukushima 50』(フクシマフィフティ/若松節朗監督)だ。3.11の福島第一原発の事故で、被害をい止めるために福島第一原発に残り続けた「Fukushima50」たちが、渡辺謙、佐藤浩市らによって再現されたかのような作品は、むしろ新型コロナという未曽有のウイルスに直面した今、リアリティをもって見られるのではないだろうか。 作が公開されたのは2020年3月6日だった。その直後に熱いメッセージを寄せてくれたのが、アニメ界のレジェンド・富野由悠季監督である。「虫プロ」で『鉄腕アトム』製作に携わり、『機動戦士ガンダム』をはじめとしたガンダム

    富野由悠季が熱弁する『Fukushima 50』の「歴史的価値」(富野 由悠季) @gendai_biz
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    facebooook 2020/05/03
    “この映画が歴史的に貴重な作品になるだろうと感じる一番の理由は、報道で語られている当時の政府の対応と東電本社の無能ぶりを記録として残すことができたという点にある。”
  • 脅迫・中傷・投石・落書き・密告…多発する「コロナ差別事件」の全貌(辻田 真佐憲) @gendai_biz

    新型コロナウイルス感染症で、不安の暴走が止まらない。日各地で、信じがたい差別事件が相次いでいる。 「感染している学生の名前や住所を教えろ」「殺しに行く」(朝日新聞、4月8日)、「学生を殺しに行く」「学生の住所を教えろ」「大学に火を付ける」(毎日新聞、4月16日)、「殺す」「この時期に海外旅行なんて生物兵器かよ」(北海道新聞、4月20日)。 これらはすべて、集団感染が発生した京都産業大に寄せられた脅迫電話やメールの文言である。さらに同大では、学生がアルバイトの出勤を拒否されたり、職員の家族がこどもの保育を断られたりする被害も出たという。 これひとつでもたいへんな問題だが、いまはコロナ禍でどんどん新しいニュースが報道され、古いものはすぐ流れ去ってしまう。 これでは同じことが繰り返されかねない。そこで以下では、ここ約1ヵ月に報道された差別事件などを振り返ることにしたい。 これを読むと、中世の魔

    脅迫・中傷・投石・落書き・密告…多発する「コロナ差別事件」の全貌(辻田 真佐憲) @gendai_biz
  • 何かの冗談か? マスク禁止から着用、活動家を次々逮捕…衝撃の現実(阿古 智子) @gendai_biz

    1月中旬頃まで、香港で「マスク」といえば、反政府デモに参加する時の必須アイテムだった。香港政府はデモを抑制しようと、緊急状況規則条例を発動し、マスクの着用を禁止しようとした。 しかし、新型コロナウィルスの感染が広がると、香港政府は全ての市民にマスクを着用するよう呼びかけた。いったいこれは、なんの笑い話かと思わされるが、デモも、マスクも、新型コロナウィルスも、それらに関連するさまざまな衝突や事件、逮捕劇も、「これは冗談か」と思わされるようなことが最近、山積みだ。 民主主義国家において、あるいは法の支配を重んじるシステムにおいて、あってはならないようなことが当然のように行われている。 「覆面禁止法」はどうなったのか 香港政府は、2019年10月5日、デモ参加者のマスク着用を禁止する「覆面禁止法」を出した。新型コロナウィルスの感染が拡大すると一転し、全員にマスクを着用するように呼びかけた。 覆面

    何かの冗談か? マスク禁止から着用、活動家を次々逮捕…衝撃の現実(阿古 智子) @gendai_biz
  • 「自己犠牲」や「指針」で、命をめぐる医療現場の困難は減らない(立岩 真也)

    新型コロナウイルスの感染者数の増大により、「医療崩壊」や「命の選別」が囁かれる。しかし、もっともらしい「指針」も美しい「自己犠牲」の物語も、命をめぐる現場の困難を減じる手立てにはならない。――「いのち」にかかわる社会学の第一人者による緊急連載第2弾。 「もの」は作れるし渡せる 前回(前回の原稿を書いたのは4月8日)紹介した斉藤龍一郎さんが、日国内にはあまりでまわらないアフリカ関連の情報・記事を集めて掲載してくれています(「アフリカとSARS-COV-2」)。新型コロナはやはりアフリカのほうにも広がっていっていて、ということになっているようです。 前回、今必要なのは、「もの」としては、薬と、場所と、機械だと言いました。そして「人」は、まずは感染者に対応する人です。「もの」について、薬は当面望めない。場所は作るか、それよりも、あるものを利用し改良して使う。機械はまず「人工呼吸器」。作ればよい

    「自己犠牲」や「指針」で、命をめぐる医療現場の困難は減らない(立岩 真也)